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家守綺譚 梨木香歩 新潮社

「日本人っていいなぁ」と思わせてくれるような気持ちの良い読み物だった。

時は明治時代。貧乏文士が亡き親友の家の「家守」として暮らす日々を描いた作品。

河童や人魚、小鬼など「ちょっと不思議な日本」がテーマになっていて、水木しげるの漫画だの、波津彬子の漫画だのに通じるような世界感が、不思議好きにはたまならく良かった。

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家守綺譚

庭・池・電燈付二階屋。汽車駅・銭湯近接。四季折々、草・花・鳥・獣・仔竜・小鬼・河童・人魚・竹精・桜鬼・聖母・亡友等々々出没数多……

本書は、百年まえ、天地自然の「気」たちと、文明の進歩とやらに今ひとつ棹さしかねてる新米精神労働者の「私」=綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな交歓の記録である。

アマゾンより引用

感想

1つ1つの短編が面白いのもさる事ながら、物語を一貫して流れる作者の主張が伝わってくるところが良かった。

最後の物語に、そのものズバリなエピソードが出てくるのだけど「自分には理解出来ないものも受け入れて行く」という姿勢。

和して同ぜず…というスタンスは見習いたいと思う。「受け入れる」と言っても、賛同する訳ではなくて「それは、それでいいんじゃない」という感じ。自

分の感性とは相容れないものも、それなりに享受できるようになれば、身辺平和で宜しかろうと思う。

かなり好みの作品だったが、めいっぱいハマるまでには至らなかった。

なんと言うか……梨木香歩の書く世界は綺麗過ぎるのだ。

僧衣をまとった清らかなシスターからお話を聞かされているような印象を受ける。憧れちゃうけど、ちょっと息苦しい。

心がスレていない10代の頃か、あるいは、もっと落ち着いた年齢になれば素直に読めるのかも知れないけれど、ドロドロとした物に囚われている現時点の私には近寄りがたく感じてしまった。

もっともっと年を重ねてから、あらためて読んでみたいと思う1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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