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白いメリーさん 中島らも 講談社

中島らもが書いた『夢十夜』というノリの、ちょっと不思議な話を集めた短編集。

モダンな感じがとても良かった。作者に限ったことではないのだけれど、映像や舞台の仕事をしている人の書いた小説は場面の作りが洒落ているので、こういうタイプの小説は向いているように思う。

「切り取った情景」が抜群に良いのだ。内面への食い込み度は活字一筋の作家さんの方が上手いように思うけれど「見せる小説」という意味では、視覚畑の人々の方が上手のように思う。

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白いメリーさん

ザックリとこんな内容
  • 怖かったり、面白かったりする話を集めた短編集。
  • 表題作を含む9編収録。
  • 不条理系、あるいはブラックな話が多め。

感想

収録作品は、どれもミニシアター系の映画とか、自主制作映画などで使われそうな話だった。

ちょっとブラックな話だったが、商店街で「人を殺してもいい1日」について書かれた『日の出通り商店街 いきいきデー』が、今回のお気に入り。

不条理さ加減が、面白かった。ブラックな話なだけに万人向けではないとは思うが。作品全体に「虚無」の空気が漂っていたのが何よりもグッときた。大人の読み物だと思う。むしろ早熟な青少年のための読み物かも。

中島らもの作品を敢えてジャンル訳するなら3つに分類されると思う。

「人間大好き馬鹿エッセイ」と「不真面目を装ったクソ真面目物語」と「真面目だけれど、人生投げちゃってる物語」と。この作品は間違いなく3番目に入るだろう。

どれも、それぞれに魅力的だけれど、このテの作品は、気持ちが安定しているときに読む方がいいと思う。

どうしようもなく駄目駄目の時に読むと、落ち込んでしまいそうだ。

収録作のほとんどは虚無的な話だったが『脳の王国』だけは、趣向が違っていた。

不思議話には違いないが、ヒューマニズムに溢れた芯の強い作品だった。もしかすると『脳の王国』の主人公は、作者が理想とする人間なのではないかな……なんてことを、ふと思った。自分をしっかり持つというのは、なかなかムツカシイ。この主人公は格好良すぎる。

ササッと読めてしまう軽い文章だが、じっくり味わって読み返すのが向いているように思う1冊だった。中島らもの他の作品の感想も読んでみる

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白い木蓮の花の下で
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