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映画『光をくれた人』感想。

『光をくれた人』はアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの合作映画。2016年に公開されている。

夫が出張している夜「今日は本を読む元気がないなぁ~」と前知識ゼロの状態で視聴した。

題名から想像して「なんとなく心温まる系のヒューマン・ドラマなんだろう」と予想したけれど、予想の遥か斜め上を行く作品だった。

今回、ネタバレを含む感想になるのでネタバレNGの方はご遠慮ください。

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光をくれた人

光をくれた人
The Light Between Oceans
監督デレク・シアンフランス
原作M・L・ステッドマン
『海を照らす光』
製作
  • デヴィッド・ハイマン
  • ジェフリー・クリフォード
製作総指揮
  • ロージー・アリソン
  • トム・カーノウスキー
出演者
  • マイケル・ファスベンダー
  • アリシア・ヴィキャンデル
  • レイチェル・ワイズ
  • ブライアン・ブラウン
  • ジャック・トンプソン
音楽アレクサンドル・デスプラ

あらすじ

物語の舞台は第一次世界大戦後のオーストラリア。

オーストラリア人のトム・シェアボーンは第一次世界大戦の西部戦線で戦った後に祖国へと戻る。

オーストラリアに戻ったトムは離島(ヤヌス島)の灯台守の仕事を任命される。ヤヌス島に暮らすのはトム1人切り。前任者は心を病んで仕事を辞めていた。

灯台守となったトムはオーストラリア本土で知り合った娘、イザベルと文通をする中で、イザベルとの愛を育んでいく。そしてトムとイザベルは結婚。イザベルはトムの妻となり、ヤヌス島で暮らすようになる。

夫婦は子どもを望んでいたが、イザベルは妊娠するも2度の流産に見舞われる。イザベルが2度めの流産をしたた直後、夫婦は漂流してきた救命ボートを見つける。

ボートには男性と女の赤ちゃんが乗っていたが男性は既に死亡していた。夫婦は女の赤ちゃんを実の子として育て始める。

子どもが2歳になった時、夫婦は子どもの洗礼のために本土を訪れる。その時、トムは子どもの本当の親を知り、夫と娘を失った母親が嘆き悲しんでいるところを目撃する。

感想

この作品はオーストラリアの小説家M・L・ステッドマンが書いた『海を照らす光』を原作に制作された。

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オーストラリアの海に浮かぶ孤島を背景に素晴らしい映像美を楽しむことが出来る。

カメラワークが素晴らしくて、どのシーンも圧倒的に美しい。風景、服装、小物に至るまでこだわりが見て取れるので映像好きにはたまらないと思う。

しかし、なんと言ったら良いのか…「よく、こんな酷い物語を思いつきましたね」と作者の肩を掴んでブンブンしたくなるほど酷い話だ。

まず。物語の出だしからして酷い。

そもそも主人公のトムが赴任するヤヌス島は「孤独過ぎて誰も行きたがらない島」なのだ。

本来なら家族のいる精神的に安定した人を赴任させる風習になっていた。しかし、トムの母親は既に故人。父親とも疎遠。「単身赴任のリスクがないから」と言うことで、独身なのにトムは戦争から帰還するなり灯台守のしごとを任命される。

打ちひしがれるトムを救ったのが妻になるイザベル。

夫婦は片寄せあって幸せな新婚生活を送るのだけど、イザベルが2度の流産。

漂着した赤ん坊を見つけた時、トムは「本土に連絡しよう。そして養子に迎えよう」と提案するのだけど、イザベルは「離島にいる自分達に養子が認められる訳がない。このまま自分達の子として育てよう」と譲らず、実子として育てることになる。

トムとイザベルのやった事は道義的に許されることではない。

絶海の孤島で2度の流産。その直後に拾った子ども…となると「まぁ分かる…」としか言えなかった。私でもイザベルと同じことをしてしまうかも知れない。

トムとイザベルと赤ん坊は2年間幸せな生活を送るのだが、ここからが本当の不幸がはじまっていく。

全員が不幸過ぎる容赦ない展開

赤ん坊の実の親が分かった時、トムは良心の呵責に耐えきれず赤ん坊の親に接触。結局、トム達夫婦のやった事は世間の知るところとなる。

もう、関係者が全員可哀想過ぎてたまらなかった。

  • トム→良心の呵責が辛い
  • イザベル→子どもを手放すのが辛い
  • 子ども→トムとイザベルから引き離されるのが辛い
  • 本当の母親→子どもが懐いてくれなくて辛い

……と言う具合で、誰も幸せじゃないのだ。

それでも本当の母親はトムとイザベルの減刑を申し出ることになる。

減刑までの流れはキリスト教の思想(海で亡くなったイザベルの夫の考え)に基づいたもの。

立派と言えば立派なのだけど、あまりにも理不尽。

だって彼女は被害者なのだもの。愛する夫を亡くし、娘を理不尽な形で奪われているのに「あの人達を許してあげてください」とか。

最終的にトムとイザベルはそれでも罰を受けることになるのだけれど、そもそもトムとイザベルが犯してしまった罪自体が可哀想過ぎてなんとも言い難い。

絶海の孤島と戦争の悲劇

人の子を黙って我が子として育ててしまったイザベルの罪は許されることではないし、妻の気持ちを尊重してしまったトムも同罪だと思う。

だけど、あの場所が絶海の孤島ではなく、人の目の多いオーストラリアだったらどうだう?

拾った子どもをこっそり育てるなんて普通に無理だし、やってしまったとしてもすぐにバレと思う。

トムとイザベルが2年間逃げおおせてしまったのは「絶海の孤島」と言う設定があってのことだ。

そして、そのベースにある戦争の爪痕も忘れてはいけない。

戦争から戻ってきた時、トムの心は廃人のような状態になっていた。それを救ってくれたのがイザベルなのだ。

そのためトムはイザベルに対して普通の夫以上に思い入れがあり、赤ん坊を見つけた時、イザベルの言いなりになってしまった…という流れがある。

真面目過ぎるトムの性格から考えると、もし戦争云々と言うベーがなければ、妻が間違ったことを言い出したとしても流されることはなかったんじゃないかと思う。

感動と胸くそとやり切れなさと

『光をくれた人』は良い作品だと思うけど「感動巨編」とは言い難く、ちょっぴり胸くそ悪い要素が入っている。

ラストは綺麗にまとまっていて希望のある終わり方になっているものの、やり切れなさを吹っ切ることが出来なかった。

題名、音楽、映像、どれを取っても素敵過ぎるのだけどハリウッド的感動巨編ではないので「よし観よう」と覚悟を持って挑んで戴きたい。

面白かったけれど複雑に気持ちになってしまった。

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白い木蓮の花の下で
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