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とにかくうちに帰ります 津村記久子 新潮社

表題作他数篇からなる連作短編集。1度でも会社務めをした事のある人なら、多少なりとも共感が持てる作品だと思う。

社会小説ではなく「会社小説」といった感じ。作者自身、会社員をしながら小説を書いているというだけあって、会社での人間関係がとてもリアルに描かれていた。

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とにかくうちに帰ります

うちに帰りたい。切ないぐらいに、恋をするように、うちに帰りたい―。

職場のおじさんに文房具を返してもらえない時。微妙な成績のフィギュアスケート選手を応援する時。そして、豪雨で交通手段を失った日、長い長い橋をわたって家に向かう時。

それぞれの瞬間がはらむ悲哀と矜持、小さなぶつかり合いと結びつきを丹念に綴って、働き・悩み・歩き続ける人の共感を呼びさます六篇。

アマゾンより引用

感想

正直、途中までは読むのが鬱陶しくてかなわなかった。

リアルなのだ。描写がリアルすぎてストレスを感じるほどにリアルなのだ。特に女性で会社務めをした事のある人なら「分かるわぁ」とか「あ~。それってイライラする」って思う箇所が多々あると思う。

すっごく上手い。だけど上手以外の娯楽も感動もなくて「どうした私はわざわざ不愉快になるために本を読んでいるのだろう」と思うほどに。素晴らしい。

しかし表題作はそんなストレスを感じないほど面白かった。

帰宅難民となった人達の奮闘ぶりも面白く、そし何より「そこまでして会社で働く理由」を考えさせられる作品だったのだ。

会社で働く人達の多くは「我が家」が好きで自分の家を愛しているのだなぁ。既婚者は既婚者なりに。未婚者は未婚者なりに。

「やっぱり、うちっていいなぁ」と改めて感じる事の出来る素晴らしい作品だった。

この作品に限っては「会社小説」の枠を越えていると思った。「じぶんの家に帰りたい」という狂おしいほどの気持ちが迫ってくる力のある短編だと思う。

津村記久子の作品を読むのはこれで3冊目。確実に上手くなっている。

「会社」を書く作家さんというと池井戸潤を思い浮かべるのだけど、女性の作家さんで会社を書く人は思いつかない。

津村記久子なら、女性が共感出来る会社小説の第一人者になれるかも知れないなぁ……と思った。次の作品も読みたいと思う。

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白い木蓮の花の下で
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