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いけちゃんとぼく 西原理恵子 角川書店

敬愛する友人にすすめられて読んでみた。

作りは絵本なのだけど中身は漫画形式。図書館では絵本コーナーにある作品なので絵本というくくりで感想を書いてみることに。

今回は少しネタバレを含むので苦手な方はご遠慮ください。

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いけちゃんとぼく

ザックリとこんな内容

いけちゃんはね、うれしいとふえるの。こまると小さくなるの。あったかいとよくふくらむのよ――。

うれしいときもかなしいときも、いつもそばに寄り添ってつぶらな瞳で見守ってくれるふしぎな生きもの、いけちゃん。

そんないけちゃんがぼくは大好きで――。

少しずつ大人の階段をのぼっていく少年期のやわらかな心とみずみずしい風景。かつてこどもだった大事なあなたに贈る、西原理恵子初の叙情絵本!

アマゾンより引用

感想

女性作家さんならではの作品だと思う。

主人公の「ぼく」と「いけちゃん」の物語なのだけど「ぼく」の描き方がとても良い。

夏の終わりを境目にして、グッっと成長していく感じは男性の視点で描かれたものではなく、明らかに「そんな男の子を眩しく見つめる女の子」の視点から描かれたものだと思う。

そして西原理恵子らしい感性が光っているのも素敵だ。

毒があるのに憎めない感じと言えば良いのだろうか。天使のような子供ではなく、黒い部分を持った人間として描いているところは流石だ。

いくつかのエピソードが描かれているのだけど「人より早く大人にならなきゃいけない子供の話」が特にグッっときた。

ネタバレ恐縮なのだけど、主人公のぼくは幼い頃に父親を亡くし、そんなぼくにいけちゃんが「世界には人より早く大人にならなきゃならない子供がいてきみもその中の1人だ」と話て聞かせるのだ。

実際、私の周りにいた「親を早くになくした子達」は駆け足で大人になっていった。上から目線で「頑張れ」という言葉をあえて使わないところに、しみじみとした優しさを感じる。

そして、この作品で何よりもグッっとくるのは「いけちゃん」の正体だと思う。

かなり泣ける。そして、いけちゃんがそうなった発想もまた女性らしい。

女性らしいと言うよりも、むしろ「母親的思想」と言うべきかも知れない。この作品に限ったことではないけれど作者の作品には、そこはかとなく母性を感じるものが多い。

すすめてくれた友人は「大切な人がもっと大切に思える」と言ってすすめてくれたけれど私も同じことを思った。

そして最後に1つネタバレを書かせてもらいたい。

この作品は恋の物語だ。切なくて泣ける。切なさをガッツリと味わいたい人におすすめしたい作品である。

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白い木蓮の花の下で
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