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怪老の鱗 奇人・変人交遊録 団鬼六 光文社

官能小説の大家が書いた「変態さんいらっしゃい」なエッセイ集だった。作者の作品は何冊か読んだけれど、このエッセイ集を読んで作者のイメージが少し変わった。私の中で彼は「SM大王」とか「エロ怪人」なイメージがあったのだが、想像していたよりも、普通っぽい人のような気がした。

作品の中には、変態性癖を持った人が沢山登場するが、彼らを知ったかぶりするのではなく「俺にはとても理解できない」としながらも「そういう世界もアリ」という風にとらえているのは、なかなか潔くて良いと思った。サバけていると言うか、サッパリしていると言うか。

そして以外だったのは「実はハードなSMは好まない」というところ。そういえば、彼の著作は上品なエロが多い。私がはじめて読んだ小説は麗しい人妻が「お出しになっても、よろしくってよ」というシーンがあり「こんな場面で上品言葉ってのも、不思議だよなぁ」と思った覚えがあるような。昭和ノスタルジーというか「恥じらいのあるエロ」がお好みらしい。

どのエッセイもそれなりに面白かったのだが『美少年』という作品のモチーフになったであろうエピソードは、読んでいて不快感を覚えた。『美少年』は好きな作品ではあるのだが、あれは小説だからこそ好きなのであって、実際にあったこととなると「人として、やってはいけないこと」だと思うのだ。作り事だからこそ楽しめる世界ってのはあると思う。もっともエッセイだって作りごとの世界であり、100パーセント事実ではないのも承知しているが「本当にあったこと風」というだけでも小説とは違う形で読んでしまうのだ。

作品全体を通してみると「変態話」をベースにして「昭和」という時代を懐かしんでいるようなところがあるので、ノスタルジックな気持ちに浸りたい人向けかも知れない。もっともベースが何なので「ぜひ読んでみてはいかがでしょう?」とは、とても言えないのだけど。

そこそこ楽しめるエッセイ集だと思った。

怪老の鱗 奇人・変人交遊録 団鬼六 光文社

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