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死してなお踊れ 一遍上人伝 栗原康 河出書房新社

栗原康は初めて読む作家さん。私は面白かったけれど、相当砕けた…と言うかフザケた文章なので好き嫌いは分かれそう。

町田康が大丈夫な人なら楽しめると思うけれど、町田康の文章が生理的に受け付けない人にはオススメ出来ない。町田康『ギケイキ』のノリと似ている気がする。

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死してなお踊れ 一遍上人伝

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「踊り念仏」って歴史の教科書でサラッっと流しただけで、どういうものか全く知らなかった。

ちなみに歴史の授業で習った時は「当時流行ったカルト宗教なんだろろうなぁ。やっぱり宗教って怖いよねぇ」くらいの印象しか持たなかった。

しかし、作品を読んでみると意外と真面目で驚いた。私が今までイメージしていたカルト宗教的な感じじゃなかったのかもな…と。

私は仏教系の女子校出身なので高校の授業で仏教はサラッと勉強している。

だけど宗教の時間は眠くて眠くて仕方がなかった。まれに「なるほど良い言葉だなぁ」と感心する事もあったけれど、単位を取るためにお経を暗記するのは苦痛だったし、3年間も仏教に触れてきたのに、ほとんど何も身になっていない。

しかし、この作品を読んで「こういう感じで教えてくれたら仏教に興味を持ったかも知れないな」と思った。高校生の歴史の副読本としてオススメしたい。軽い文章なのでサックリ読めるし面白い。

『死してなお踊れ 一遍上人伝』を読んで仏教に目覚める若者がいるとは思えないけれど、少なくとも一遍がどんな人だったかイメージ出来るだろうし、一遍だけでなく「仏教ってこんな感じ」ってところが分かるかと思う。

作品の文章は軽くてフザケた感じがするけれど、書いている内容は大真面目。歴史に名を残す宗教家ってなんだかんだ言って立派なんだなぁ…と感心した。

そして仏教って面白いと思った。高校生の頃は仏教系の学校に通いながら三浦綾子遠藤周作だとキリスト教の作品ばかり読んでいたけれど、なんと言ったらいいのか…最近は仏教の大らかさっていいな…と感じるようになった。

さてこの作品。けっこう面白いのだけど、読んでいると中だるみしてくるのが弱点だと思う。

主人公の一遍が目指すところ、言いたいところは一貫して変わらないので、ある程度読み進むと「なんかこの話さっきも聞いた気がする…」と言う語りの繰り返しになってしまっている。

「そうは言っても一遍の人生を順を追って描いているのだから仕方がない」とは思うものの「史実だから仕方がない」と言うだけが理由ではないだろう。

ファンキーで軽い文章は読みやすくて良いのだけれど、その分表現が画一的で「さっきから同じことばっかり言ってるよね」と言う印象になってしまっている。

言うなれば最近の若者がなんでもかんでも「マジ、ヤバイ」で済ませてしまっているような表現の手抜きがある事は否定できない。

多少のマイナス面はあるけれど作品としては面白いと思う。仏教に興味があるなら是非オススメしたい。

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白い木蓮の花の下で
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