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ワン・モア 桜木紫乃 角川書店

6編からなる連作短編恋愛小説集。

主人公は30歳以上の大人ばかり。色々なタイプの話があったけれど、ちょっと苦い目の作品が際立っている印象。

上手い……と言えば上手い。その反面「でもなぁ……」と思う部分も多々あった。

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ワン・モア

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安楽死事件を起こして離島にとばされてきた女医の美和と、オリンピック予選の大舞台から転落した元競泳選手の昴。月明かりの晩、よるべなさだけを持ち寄って躰を重ねる男と女は、まるで夜の海に漂うくらげ―。

同じ頃、美和の同級生の鈴音は余命宣告を受けていて…どうしようもない淋しさにひりつく心。

人肌のぬくもりにいっときの慰めを求め、切実に生きようともがく人々に温かなまなざしを投げかける、再生の物語。

アマゾンより引用

感想

浅田次郎のノリに似ているように思う。凄く上手いし、グッっとくるエピソードもあるのだけれど、上手いこと騙されないうちに醒めてしまうと言うか。

桜木紫乃の作品はこれで5冊目。物語を作るのが抜群に上手い人だと思う。浅田次郎レベルと言ってもいい。

だけど残念なことに、浅田次郎ほどの強引さはないので、夢中で読んでいても馬鹿になりきってハマれないような印象。

この短篇集の中だと誠実だけど不器用な本屋の店長の恋愛を書いた『おでん』と、ベテラン看護師の恋愛を書いた『ラッキーカラー』はものすごく好みだった。

読んでいて「ああっ。もうっ!」とイライラ、ジリジリしてしまう感じ。

分別のある大人って駄目だなぁ……と切なくなってしまった。恋愛って馬鹿になれた人の勝ちだと思う。

それぞれ、とても良い作品だと思うのだけど「ハマり切れないのは何故だろう?」と考えてみた。

たぶん、登場人物達が小綺麗なのが駄目なのだと思う。恋をした時のやり場のない切なさや「パッっとしない人」の恋を描いている作品が多いのだけど「市井の人」がいないのだ。

雑誌に出てくるような「イケてる人」だったり、パッっとしない人と描かれていても「この人は、ひとりでもそれなり生きていけるでしょ」と思える程度のしっかりした大人だったり。

色々な意味で、やぷれかぶれな感じが足りない。そこが残念。

魅力のある物語を描く作家さんなのに、何故か一味足りないのだ。

その点、はじめて読んだ『ラブレス』は絶妙だった。今回の作品も悪くないのだけれど『ラブレス』ほどのカタルシスは見いだせなかった。

面白かったと言えば面白かったのだけど「痒いところに手が届かない」ような残念感の残る作品だった。

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白い木蓮の花の下で
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