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氷平線 桜木紫乃 文藝春秋

桜木紫乃の作品はこれで2冊目。前回は長編だったけれど、今回は短編集。

私は長編小説と短編小説は別物だと思っている。長編が面白くても短編となるとサッパリな作家さんもいれば、その逆の人もいる。

「どうかなぁ……」と少し心配だったのだけど、なかなか面白かった。

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氷平線

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北海道の道東を舞台とし、普通の田舎町とは一味違う渇いた閉塞感と、北の大地の生活感あふれる性を描く。

跡継ぎを作る重圧、ムラの男に身体を売って生活する女性、フィリピンから嫁として買われた少女、牧草の上での性行為など、陰々とした中にもある種の明るさと諦念が漂う北の大地の現実が活写される。

乾ききったこころと身体をもてあましながら生きる女はどこへむかうのかーー。

アマゾンより引用

感想

桜木紫乃の描く「女」は古風で良い。

有吉佐和子津村節子が好むようなタイプの女性が多い。時代遅れで古風な女。でも強情で柳のように強い女。いささか貧乏くじを引いてしまいがちなところも、また良い。

桜木紫乃の作品はまだ2冊しか読んでいないので、あれこれ言えるほどではないのだけれど今回は「親」の描き方が気になった。

ご自身が北海道出身とのことで、北海道が舞台の小説がほとんどなのだけど、主人公達の「親」に、ろくでなしが多いところに注目したい。

今風の言葉で言うと「毒親」なのだけど、微妙に憎み切れていないあたりに主人公達の「情」を感じた。

桜木紫乃の描く女達は「愛」よりもむしろ「情」の世界に生きている。宮尾登美子瀬戸内寂聴の描く女達とは対照的だ。

一見、愛に準じている風な話でも、よくよく読んでみると情に流されているあたり……たまらん。私自身、どちらかと言うと「愛」よりも「情」に流されるタイプなので、共感しやすいのだと思う。

桜木紫乃はじわじわと評価が上がってきている作家さんのようだけど、その理由は分かる気がする。

作家としての実力もさることながら、色恋に命懸けの話に飽きちゃった人が多かったんじゃないかな……と思う。

特に若手の女性作家さんの描く話は「女は恋愛してこそ女」な感じがあって、非恋愛体質の人間には少しばかり重い時があるのだ。

私は6編とも面白かったと思うのだけど、好き嫌いはあると思う。

実はどれもこれもハッピーエンドでは無いのだ。だけど後味の悪さはさほど気にならなかった。たぶんヒロイン達が強い女だから安心して読んでいられるのだと思う。

私はもうすっかり桜木紫乃の作風にハマってしまったらしい。続けて他の作品を読もうと思う。

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白い木蓮の花の下で
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