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凍原 桜木紫乃 小学館

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桜木紫乃怒涛の4冊目。

桜木紫乃の作品は『ラブレス』を読んで追いかけると決めてから、立て続けに読んでいる訳だけど、残念ながら今回もイマイチだった。

4冊読んで2冊当たりで2冊がハズレ。

勝率5割と思うと微妙な感じだけれど、作品を発表した時期を考慮すると『ラブレス』以降もしくは、新しいめの作品を読んだ方が良いのかなぁ…って気になってきた。

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凍原

一九九二年七月、北海道釧路市内の小学校に通う水谷貢という少年が行方不明になった。湿原の谷地眼(やちまなこ)に落ちたと思われる少年が、帰ってくることはなかった。

それから十七年、貢の姉、松崎比呂は刑事として道警釧路方面本部に着任し、湿原で発見された他殺死体の現場に臨場する。

被害者の会社員は自身の青い目を隠すため、常にカラーコンタクトをしていた。事件には、樺太から流れ、激動の時代を生き抜いた女の一生が、大きく関係していた。

アマゾンより引用

感想

今回も北海道らしい作品だった。樺太からの引き揚げ者が事件に絡んでいたりして北海道の土地や、独特の歴史がふんだんに盛り込まれていて、北海道に縁のある人や、北海道好きの人には興味深い部分があると思う。

『風葬』でもまったく同じ感想を持ったのだけど、肝心の物語については「やりすぎ」のひと言に尽きる。

狭い場所、狭い話を無理やり1本の線に繋げることによって、登場人物の生きざまや哀しみが薄っぺらくなってしまっている。

これを言ってはオシマイだとは思うけれど、桜木紫乃はミステリーには向かない作家さんだと思う。

私はミステリー好きではないけれど、謎解き的に面白い訳でもなかったし、すべての事件が1本に繋がった時も取り立てて驚きは感じなかった。

私のように鈍感な人間が「やっぱりな…」と思うようでは駄目だと思う。

ただ、それでも私は桜木紫乃を押していきたいと思っている。

男女の描き方、女の生きざま、人としての生きる姿勢……そう言ったものが、ものすごくツボに入るのだ。「ありそうでなかった」感じがとても良い。

だけど、残念ながらこの作品ではそれが充分生かし切れていないのだ。次の作品に期待したい。

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