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家族芝居 佐川光晴 文藝春秋

老人達が暮らすグループホームの中で起こるドタバタ人情劇を描いた作品。

アングラ芝居をやっていた役者上がりの男と、彼を慕う会計士の女性、それに医学部受験を目指す浪人生以外の登場人物は全て「婆さん」。テーマとしては面白かったけれど、いまいちピンと来なかった。

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家族芝居

笑いあり、涙あり。正月の餅搗きや花見に酔い痴れたり、思いがけない恋愛や、不意に訪れる死という現実も…。

元アングラ劇団スターにして三十六のバツイチ男、後藤善男の「八方園」にようこそ。

アマゾンより引用

感想

たぶん作者の作風と、ドタバタ劇が合っていないのだと思う。浅田次郎とか、荻原浩なら上手に描けそうだなぁ……という印象。

明るいドタバタ劇のはずなのに、なぜか重苦しいのだ。

そして、そんな地味で重苦しい作風なのに「ありえないくらい気配りが出来る役者上がりのスーパー介護士」を描くのだから違和感爆発も良いところ。

「老人介護が、そんなに簡単なら誰も苦労ないわよ」と呟いてしまった。

こういう「ありえない」設定でも、心底明るいタッチでもって、いっきに引っ張ってくれれば面白いのだとは思うのだけど、そこまでの勢いが無かったのが失敗だったかなぁ。

佐川光晴の意気込みはよく分かる。言いたいことも大体分かる。だが、それと「面白いかどうか」と言うのは全くもって別問題なのだ。

いっそ、もうちょっと筆がこなれてきてから描いた方が良かったのかも知れない。登場人物の婆さん達の書き分けも出来ていなかったし。

どの婆さんも十把一絡げで「婆さん達」になってしまっていたのが残念である。

敢えて良かった探しをするのなら、婆さん達がマイクロバスに乗って、亡くなった婆さんを火葬場に連れていって弔う場面の切なさ加減くらいだろうか。

あれも、1つの終末の形なのだなぁ…としんみりしてしまった。

今回はいまいちピンと来なかったので、次の作品に期待したい。

出来れば憂鬱になるくらい重苦しい純文学風なものが読みたいのだけど。とりあえず、しばらくは追っていきたいと思う。

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白い木蓮の花の下で
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