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灰色の瞳 佐川光晴 講談社

佐川光晴は個人的に猛プッシュ中の作家さんではあるのだけれど、この作品はいただけなかった。残念ながら誉めるぺき部分が1つも見当たらない。

ここまで駄目な作品もめずらしい。

たまにはハズレを引くこともあるか…ってことで納得している。

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灰色の瞳

父親譲りの灰色の瞳と英語力を武器に、通訳として自立をめざす美貌の女性・黒井礼子は、政治思想史の若き学究・千明広と出会い、恋に落ちる。

正反対の境遇と性質ゆえに深く惹かれ合う二人だったが、兄夫婦の急死により礼子に遺された幼い兄妹の養育、千明の将来を左右する教授夫人との確執、さらに戦後政治思想史のカリスマをめぐる謀略が絡み、波瀾のドラマが展開する…。

アマゾンより引用

感想

今回は主人公が女性なのだけど、この作家さんは佐川光晴を描けない人なのだと思う。

女性と係わった経験(恋愛とか結婚だけでなく姉妹や親戚なんかも含め)が薄いのだと思う。その駄目っぷりは、女性を描くのが全く上達しなかった遠藤周作の駄目っぷりを彷彿とさせた。

作者の書いたヒロインはエキセントリックを通り越して「人格の破綻した人」に過ぎないと思う。

親の愛に恵まれず、人との係わりを築くのが苦手なキャリアウーマンで上昇志向の強い女性が、ただ肉親というだけで、未婚のまま甥と姪を引き取ろうと思う……という設定事態が妙ちきりんだ。

しかも、ラストでヒロインは、甥と姪を放ったらかして失踪しちゃっている。その上、ヒロインの恋人が彼女の甥と姪を育てるだなんて話の、どこにリアルを求めたら良いのやら。

ヒロインが駆け引きに使った資料の出し方だって、あまりにも雑で唐突過ぎる。

本編の筋とはなんら関係ない研究と、人道的・学術的な意義云々の話は、どこから取って付けたものか。登場人物にしても、資料ひとつにしても、扱いが雑でウンザリしてしまった。

しかしながら、この作品は私が「この作家さんは、ひと皮剥けたね」と感じた作品の、前に書かれているので過渡期だったのかなぁ……とは思う。

それに、どんなにスゴイ作家さんだって駄作の1つや2つはある訳なので、この作品が面白くなかったからと言って「もう読まない」とは思わない。

毎度のように思うのだけど「エキセントリックな人」と「人格の破綻した頭のおかしい人」のボーダーラインはどこにあるのだろう。前者だと魅力的なのに、後者だと腹立たしい。

その辺の見極めが作家さんの力量なのかなぁ…なんてことを思った1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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