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カブキの日 小林恭二 新潮文庫

歌舞伎が好きな人、あるいは「舞台」や「芝居」を愛する人なら、ついつい夢中になってしまうのではないかと思う。

ちなみに私は夢中になった。

日本人の大人のための異種ファンタジーとでも言おうか「まぁ、しょせんは作り事だから」と言ってしまえばそれまでだがストーリーは突拍子のない作りになっていて、少し面食らったけれど。

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カブキの日

21世紀のカブキ界に君臨するのは、果して誰か―世界が注目するなか華麗な「顔見世」が琵琶湖畔の巨大な船舞台・世界座で幕を開ける。

だが、その水面下では、守旧派の名女形と改革派の人気立役者が、凄絶な勢力争いを繰り広げていた。

美少女・蕪は、謎の手紙に誘われる形で騒動に巻き込まれ、世界座舞台裏の怨念渦巻く大迷宮に迷い込む。蕪に託された「使命」は?

アマゾンより引用

感想

主人公は蕪という名の美少女。美少女といっても、か弱きお嬢様ではなく、少年っぽくさえ見えるサッパリしたお嬢さま。

蕪の相手役は若衆の月彦。カブキの世界で生きるだけあって少年というよりも少女のように見える美しい若衆。

蕪と、月彦は自分の意志とは関係なく「使命」を託され「世界座」という名の迷宮に誘われてゆく。

少々、ファンタジー色が強いけれどモダンな作りになっていて充分過ぎるほど、大人の読み物である。

世界観が突拍子のない点では、安部公房などと少し似ているようだがそれよりは、まだくだけた印象を受けた。

途中で挿入される「歌舞伎」の演目の説明や劇中劇も違和感なく、すんなり入り込むことができた。

それどころか、私は15歳の少女、蕪の視点にたって、物語に遊んでしまったのだ

。ファンタジーっぽい設定は子供の頃なら、すんなり読めても大人になると、面白いながらも、3歩か4歩後ろずさってしまうことが多いのだが今回は自ら突撃してしまったほど、大人にも耐えうる作品だったし引き込まれるだけ、ストーリーの面白さがあった。

生きるとか、死ぬとか、人生を考えるとか……そういうタイプの小説ではないが、どっぷり世界に浸って楽しむことができるエンターテイメント的な1冊だと思う。

映画化、アニメ化したら、素晴らしいだろうなぁ……と思った。歌舞伎役者が沢山必要なので映画化は不可能だろうが。

この1冊を読んで、どうしてもカブキを観にいきたくなってしまった。

これもまた舞台の魔力というか……それにしても不思議な魔力をもった1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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