この三連休。娘はアクロバット教室の合宿に参加した。
娘からすると「アクロバット教室の合宿」なのだけど、アクロバット教室の母体は本気の体操教室なので一般的には「体操教室の合宿」って事になる。ちょっとしたお楽しみコーナーはあるものの朝から晩まで練習漬けの合宿である。
娘は子どもだけで参加するキャンプに何度も行っているので、娘だけで生かせることに不安は無かったけれど、痒いところまで手が届いているキャンプ団体が運営するキャンプと体操教室の合宿では色々勝手が違うだろうから、合宿前は先生に質問したり合宿経験者のお母さんに質問したりした。
合宿はどこで寝るのか?
本部教室の2階に宿泊出来る設備がある。敷布団は用意しているので毛布かタオルケットを持参のこと。
入浴について
近隣の銭湯へ行く。湯冷めや安全面のリスクを考えて、スクールバスで移動。
食事について
先生が調理する。合宿時は「調理担当」の先生を置くので、体操を指導する先生が片手間に作る訳ではない。ちなみに米は20合以上炊く。(LINEに送られてきた写真を見ると栄養バランスの取れたしっかりした食事だった)
眠れない子はどうするのか?
先生が添い寝。実際、幼稚園年少の子が「1人で寝るの嫌だ」と、一晩中先生に添い寝してもらったとのこと。
なんだか…想像していた以上に配慮されていて驚いた。
娘が参加した合宿は小学生以上が対象だったのだけど、小さい子が対象の合宿もあって、先生方の大変さは想像を絶するものがある。そもそもそ自分で自分の事が出来ない子達を集めて合宿とか!
「どうして、そこまで労力を裂いて合宿するの?」って話だけれど、これには深い理由があるのだ。
娘の通う教室の本部は本気の体操選手を育てている。選手達は。ある程度の年齢になると、指導母体を体操教室から学校へと移していくのだけど、それでも「○○体操教室出身」と言うところは生涯ついてまわる。
体操と言う競技は小さい頃からはじめる必要があり、エース級の選手達は幼い頃から大会に出場するために遠征することになる。
その時に「お母さんがいないと眠れない」とか「環境が変わるとメンタルが不安定になる」なんて事では話ならないのだ。エース達は幼いうちから他人と寝泊まりする体験をして合宿慣れ(遠征慣れ)しておく必要があるのだ。
全ては未来のエースのために!
娘や娘と一緒にアクロバットを学んでいるエンジョイ勢の生徒なんて、言うなればエースを育てるための土壌のようなものだ。
体操教室の先生達は、将来自分の教室からオリンピック級の選手が育っていくことを信じて手間暇を惜しむことなく指導していて、遊びのノリの強い年少組の指導でも「この子は素養ありそう」と思われる子に対する指導と、その他大勢に対する指導は明らかに違っている。
このシステムは「どこのチームよりも速くエースをゴールに届ける」ことだけを目標にしている自転車レースにも通じるように思う。
そして体育会系の世界を知らない私は「凄い世界だなぁ~」と、ただただ感心するばかり。
さて。肝心の娘だけれど、目一杯合宿をエンジョイして帰宅した。
「また行きたい」とのこと。感心したのは同じ教室からバスに乗り込んで行った子達のほとんどが行き帰りのバスの中で眠ることなく元気に帰ってきた…ってこと。
合宿ではクタクタになるまで練習して夜10時に就寝していたにも関わらず、朝早く起き過ぎたため「寝てる子もいるんだから静かにしなさい」と先生に怒られたらしい。
今まで娘が参加したキャンプではあり得ない光景である。
娘はキャンプに行くと毎回「往復のバスや電車で寝る子が多過ぎて暇で嫌だ」「私だけ早く目が覚めるので暇で嫌だ」と言っているのに、体操を習うような子達は娘と同じく無駄に体力が有り余っているのだなぁ…と胸熱だった。
ともかく娘が合宿を楽しんで病気も怪我もなく元気に帰ってきてくれて嬉しい。今回の合宿では「アクロバット習わせて良かったなぁ」と、改めて思った。
娘はこの調子だとアクロバットは「小学生の習い事」の域を出いないまま中学生に上がるあたりで辞めるのかな…って感じではあるけど、良い経験をさせてもらっているし何より有り余る無駄体力を発散出来ている…って事がありがたい。
いつまで続くかは分からないけれど、ハマっているうちは一生懸命取り組んで欲しいな…と思う。