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映画『ワン チャンス』感想。

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『ワン チャンス』は2013年のイギリスの伝記映画。

タレント発掘番組で優勝した事がキッカケでプロのオペラ歌手になったポール・ポッツがモデルとの事。

恥ずかしながら私は映画の事もポール・ポッツの事も全く知らなかった。

ケーブルテレビの案内雑誌を観て「なんか良さげ~」くらいの気持ちで録画して、お盆休みの最終日に夫と2人で視聴した。

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ワン チャンス

ワン チャンス
One Chance
監督 デヴィッド・フランケル
脚本 ジャスティン・ザッカム(英語版)
製作 マイク・メンシェル
サイモン・コーウェル
ブラッド・ウェストン
クリス・サイキエル
製作総指揮 ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
スティーヴ・ウィットニー
出演者 ジェームズ・コーデン
音楽 セオドア・シャピロ
ベッキー・ベンサム(音楽監修)

あらすじ

主人公、ポール・ポッツは幼い頃から歌が好きで美声の持ち主。しかし太っていて容姿に自信がなく、いじめられっ子として成長する。

歌の道を志し、イタリアへ留学。しかし憧れのオペラ歌手パヴァロッティから「きみはオペラ歌手にはなれない」と言われて、失意のうちに帰国。

帰国後はジュルズと結婚し、アマチュア劇団の舞台に立つなど幸せを掴んだかに思われたが、その後状況が一転。

病気や交通事故など不幸が連続し、治療のための借金も抱えてどん底に陥ってしまう。

そんな時、偶然インターネットでテレビのオーディション番組の出演者募集広告を見たポールは、これが最後のチャンスだとと応募し、妻ジュルズの励ましを受けて番組の舞台に立つ。

感想

主人公の駄目っ子ぶりにイライラするところもあったけれど、ポール・ポッツは基本的に心優しい人間なので観ていてとても気持ちが良かった。

いじめられっ子ではあったものの、なんだかんだ言って力を貸してくれる友人がいたり、支えてくれる妻がいたりと恵まれてるな…とも思った。

主人公の才能も凄いけれど、主人公の妻の有能さたるや。

信じて、支えて、導いて…最高のマネージャーっぷりに感心させられた。日本の言葉で言うところの「あげまん」ってヤツだと思う。

全篇を通してオペラの曲があちこちに使われているのでオペラが好きな人なら楽しめると思う。

オペラになんか興味の無い人でも「イケてない男のサクセスストーリー」として楽しめるのではなかろうか。

ただ、普通に良い話ではあるものの「最高に面白かった!」とは言えないところが少し残念。

良くも悪くも伝記映画。ご本人も生きておられるし、色々と制限があったのかな…と推察する。

伝記映画って、面白くても面白くなくても「本当にあった事なんだから仕方ないよね」と思うしかない。

例えばちょっと物足りない流れになったとしても「本当にそうだったんだろうから仕方ないよね」としか言えないのだ。

実在のポール・ポッツがどんな人なのか、またどんな人生を歩んできたのかは知らないけれど、サクセスストーリーとして楽しむには周囲の人が良い人揃いでちょっと物足りない感じ。

ハングリーさに欠けると言うか、なんだかんだで優しい世界。

とは言うものの、実際にそうだったのならこれも文句を言えた筋合いではない。しかし、これは作品として見ると弱点になってしまっている。

「夢を諦めずに頑張った男の一発逆転サクセスストーリー」なのか「良き人であったからこそ、良き人達に恵まれ、結果的にチャンスを掴んだ男の物語」なのかがブレてしまってカタルシスが足りないのだ。

パラメーターをどちらかに全振りしていればラストで「おおっ!」となったと思えるだけに残念でならない。

なんだかんだと文句を書いているものの、気持ち良く観終える事の出来る良い作品だと思う。

世知辛い世の中だからこそ夢とか希望を感じさせてくれるような作品が増えてくれるのは嬉しい。

物足りない感じはあったものの、気持ちの良い映画だと思った。

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