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山女日記 湊かなえ 幻冬舎文庫

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イヤミスの女王と評される湊かなえの作風はイマイチ好きになれないでいるけれど松永K三蔵の『バリ山行』を読んだことで「山がテーマ…登山家じゃなくて一般の人が山に登る話が読みたい」と思い『山女日記』を読んでみることにした。

『山女日記』は俗に言う山ガールが主人公だと聞いていたので、私の目的にはドンピシャだろう…と。実際、そう言う意味では大当たりだった。

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山女日記

ザックリとこんな内容
  • 『山女日記』というウェブサイトで繋がっている女性達を主人公とした連作短編集
  • 『妙高山』『火打山』『槍ヶ岳 』『利尻山』『 白馬山』『金時山 』『 トンガリロ 』『 フェスティバル・カラフェス』の8編収録。それぞれに少しずつ登場人物がリンクしあっている
  • 山登りを通して自分の生き方に迷う女性達はそれぞれの悩みと向き合いながら前に進もうとしていく……

感想

『山女日記』は山をテーマにしたウェブサイトを利用している女性達が主人公の連作短編集。他の作品と少しずつリンクする部分があって「前に出てきた物語の主人公が次の物語でゲストキャラクターとして登場する」って仕掛けがあるのが良かった。連作短編とは言うものの1つの「山ガール物語」って感じがした。

「悩みや不満を抱えた女性が山を登ることで自分を見つめ直し成長する」ってとろこが基本コンセプトで湊かなえらしからぬ爽やかな仕上がりになっている。

ハッピーエンドでイヤミス的ではない…とは言うものの、私自身は登場人物達に心を寄せることができなかった。ゼネレーションギャップを感じると言うか。そうでなければ考え方の方向性が違っていというか。湊かなえは私と同学年のはずなのだけど、どうにも考え方がバブルと言うか、ちょっぴり古臭いと言うか。現代を生きる女性像のアップデートされていないように思った。

私。主人公の女性達の不満とか悩みに対してイチイチ反感を覚えてしまったのだ。すごくワガママと言うか。あまり好きになれない…友達にはなれそうにないタイプの女性だった。

……って。結局のところ私は湊かなえと相性が悪いだけなのだと思う。

『山女日記』を読んで唯一「なるほど!」と素直に感じ入ったのは「山は1人でも楽しめる趣味であり、1人でいても不思議に思われないのが良い」との主張だった。「おひとり様」が不思議ではない趣味って自分のペースで楽しめるのが魅力的。確かに登山はそんな気がする。「読書、音楽鑑賞、美術鑑賞、マラソンなども1人で出来るんだけど…」とか突っ込むのは野暮って話。

人生を豊かにする趣味があるのは良いことだな…なんてことを思った。

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