読んだ本の『50音別作家一覧』はこちらから>>

武道館 朝井リョウ 文藝春秋

記事内に広告が含まれています。

『武道館』は実在するアイドルグループをモチーフに書かれたっぽいアイドルをテーマにした作品。

アイドルをテーマにした作品と言うと最近だと漫画(アニメ)の『推しの子』なんかがあるけれど『武道館』はもう少し前の頃から…ザックリ言うとLINEが存在しないくらい昔の頃からスタートしている。

きっとその筋の人が読めば「あ~それな」みたいなエピソードが多数あるのではないかと思うのだけど、私はアイドルには詳しくないのでお仕事小説として、そこそこ面白く読ませてもらった。

今回ネタバレ含む感想です。ネタバレNGの方はご遠慮ください。

スポンサーリンク

武道館

ザックリとこんな感じの作品
  • アイドルグループ「NEXT YOU」は結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた。
  • NEXT YOUは独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。

感想

「実在するアイドルグループをモチーフに二次創作的な作品を商業小説として出すのはどうなのか?」と思ってしまったのだけど、そのあたりのところはOKなんだろうね…ってことで感想など。

あくまでも「モチーフ」止まりであってエピソードをちょいちょい乗っけているに過ぎない。例えばAKBの峯岸みなみが熱愛報道のあとで坊主にしたエピソードなどが登場したりする。要するに昨今のアイドル事情を取り混ぜつつ物語を作ったよね…ってこと。

私はアイドルに詳しくないからこそ楽しく読めたのかも知れないけれど「アイドルも大変だなぁ」とか「そりゃそうだよね。アイドルって言っても普通の女の子だよね」みたいな気持ちで読みすすめていった。

例えばダイエットのこととか、ダンスや歌の練習が大変…って話とか。

私自身は52歳のオバサンだけど今のアイドルは私が子どもの頃のアイドル達よりも歌もダンスも上手でビックリする。特にアイドルグループのダンスの技術は年々向上していると思っているだけに「そりゃ練習も大変だよね」と改めて感じた。

グループの女の子同士の絆とか、諍いなんかも「そりゃ女子が集まったらこうなるよね」みたいな感じでリアルだと思ったし、登場人物達の話っぷりが高校生の娘の話と重なって母親の気持ちで読んでしまった。

だた主人公格の女の子が幼馴染の男の子と恋をして(厳密に言うとずっと好きだった設定)身体の関係にもつれ込む流れについては、なんか男性の妄想っぽくて「いや…そうはならんやろ?」と真顔で突っ込ませてもらった。作者が男性だかも知れないけれど、恋愛系のエピソードは他の子についてもイマイチ同意できなかった。

時代を反映した小説…と言えばそうだろうけど、時代を越えて読み継がれるほどの作品とは言えないし「悪くはないし、それなりに面白いね」止まりの作品だと思う。

朝井リョウの他の作品の感想も読んでみる

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました