私が勤務している放課後等デイサービスでは重度の障害を持ったお子さんがいる。
最近、発達障害の支援方法として「絵カードを使う」と言うものがある。
絵カードは幼稚園や保育園、児童発達支援センター等で使われることが多く、市販されているものもあるけれど、1人1人のお子さんにあわせて手作りすることも出来る。
発達障害のお子さんは言葉で理解するのが難しかったり、先の見通しがないと不安を感じてしまうケースがある。そんな時に、絵カードを使うと有効なのだけど、この絵カード。作ってみると奥が深い。
例えば…
「工作をする」と言う絵カードを見せて「これから工作をしますよ」と伝えたい場合、子どもがハサミを持って紙を切っているイラストを絵カードとして作ってみたとする。
普通の大人だと「子どもが工作しているイラストだな」と理解出来ると思うのだけど、発達に障害のあるお子さんの場合……
- 紙
- ハサミ
- 子ども
……と言う3つの要素のどこに視点がいくのか分からないことがあるのだ。
また、可愛らしいイラストの絵カードは普段から絵本等に慣れ親しんでいるお子さんに有効だけど、絵本とか好きじゃない派のお子さんの場合、しっかり絵を認識してくれないことがある。
今回、機能訓練の先生のアイデアでイラストを使った絵カードではなく、写真を使った絵カードを作ってみた。
最初は「フリー素材から適当な写真をダウンロードして…」みたいな話だったのだけど「自分が普段使っていないボール」とか「どこの誰だか分からない知らないこども」の写真を見せられても理解出来ないかも知れないな…ってことで、絵カードを使用するお子さんの写真や実際についっている物の写真を使って絵カードにしてみた。
……コレ。もしかしたら良かったかも知れない!
いつもなら拒否されることが写真絵カードを使った時に、すんなり受け入れてもらえたと言う報告を貰った。
自分で作ってみて思ったのだけど「絵カードを使用するお子さんの視点」が重要な気がする。自分が普段使っているコップとか、お気に入りの玩具とか、周囲の人の顔写真とか。
- 絵カードを使用するお子さんが認識しやすい画像であること
- 不要な情報を絵カードに盛り込まないこと
……等、今後も試行錯誤が必要だと思うのだけど「写真を使用した絵カード」の可能性が見えた気がした。
私の場合、ただのパートのおばちゃんだし、専門家でもなんでもないのでアレだけど、放課後等デイサービスを利用してくれているお子さんの発達にほんの少しでも貢献出来たら嬉しいな…と思う。