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人形劇団クラルテ『はてしない物語』感想。

先の土曜日。家族で人形劇団クラルテの『はてしない物語』を観に行ってきた。

私は舞台芸術系全般が大好きなので、娘には親元にいる間に出来るだけたくさんの舞台芸術に触れてほしいと思っていて、機会があれば色々な舞台に連れて行った。

そんな娘も今春から中学生。そろそろ人形劇は卒業する頃だな…と思ったので、最後の人形劇と言うことで『はてしない物語』を観に行くことにした。

子ども向けの人形劇と言っても『はてしない物語』は少し大きな子(小学校中学年以降が最適)かと思う演目なので、6年生の娘にも楽しめるのではないかと選んだのだけど、娘だけでなく私も夫も楽しめる素晴らしい作品だった。

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はてしない物語

『はてしない物語』はご存知、ミヒャエル・エンデの名作児童文学。私自身も子どもの頃に夢中になって読んだ思い入れのある1冊だ。

本好きの親として娘にも是非読んで欲しかったのだけど、娘はファンタジー属性がないタイプなので、あえて勧めることなく、ここまで来てしまった。

いじめられっ子のバスチアン少年が「ファンタージエン」と言うファンタジーの世界に入って冒険をする物語。

単純な冒険譚ではなく1人の少年の成長物語としても素晴らしく、特に闇落ちしてからのくだりは控えめに言って最高。

ネバーエンディング・ストーリー

『はてしない物語』と言うと中年世代だと映画『ネバーエンディング・ストーリー』の方が有名かも知れない。

 

実際、そこそこヒットした記憶があるのだけれど、映画の『ネバーエンディング・ストーリー』はバスチアンがファンタージエンを救うくだりまでしか書かれておらず、肝心の闇落ちターンを大胆にカットしたことで、原作者のミヒャエル・エンデが激怒したことでも有名。

個人的には『ネバーエンディング・ストーリー』についても「あれはあれで良かったよね」と思うものの、ミヒャエル・エンデが激怒したのも理解出来る。

人形劇団クラルテ『はてしない物語』

そして人形劇団クラルテ版の『はてしない物語』である。

こちらは原作を丁寧になぞった作りになっていて、原作者の了承云々については知らないけれど、ミヒャエル・エンデも納得してくれるんじゃないかな…と思う。

多少、人形劇用に分かりやすくした部分もあるし、原作が好きな人が読むと「私の思っいた『はてしない物語』とは違う」と言う部分もあるかとは思うけれど、十分過ぎる再現度だと思った。

人形劇の枠を超えた舞台芸術

人形劇『はてしない物語』の場合、物語の内容については原作そのままなので、改めて言うことはないのだけれど、とりあえず演出に度肝を抜かれた。

人形劇と言うと「人形が主役の劇」ってイメージがあるけれど、人形だけに視点を集めるのではなく、会場全体を使ったダイナミックな演出になっていた。

また演者である人間は、あくまでも「人形使い」としてのポジションではあるのだけれど、人形以外のもの…例えば風を表現する時は、ひらひらとした大きな布とともに現れて、布だけでなく人間の体も風の表現として使われていて、ファンタージエンの世界を見事に描いていた。

今回の舞台では「もしかしたら通路を使った演出があるかも知れない」と予想していたので、前と横が通路の席を確保したのだけれど見事予想的中。

目の前を大きな人形達が走り、演技してくれたのには大感激してしまった。

大人も本気で楽しめた

娘が大感激したことは言うまでもないけれど、意外にも夫が楽しんでくれた。

「俺、人形劇馬鹿にしてたけど凄いな。めちゃめちゃ進化してるやん…」と。

そうなのだ。人形劇と言うと「幼稚園の子どもが観るもの」くらいの認識の人が多いけど本気の人形劇は大人でも十分楽しめる。

もちろん、小さい子どもが楽しめるラインの人形劇も大切だけど、舞台芸術としての人形劇は馬鹿にしたものではない。

ちなみに夫は「人形劇でここまでやれるとは知らなかった。文楽ももって頑張ったらいいのにな…」と言っていた。確かに文楽も素晴らしいとは思うけれど、歌舞伎ほど新しい感覚を取り入れる貪欲さは見られない気がする。

日本の人形劇、もっと世の中の人に…世界に知って欲しいし、とりあえず騙されたと思って生の舞台を観て欲しい。

「娘と観る最後の人形劇」として人形劇クラルテの『はてしない物語』を選んだのは大正解だった。

家族全員が楽しめる最高の舞台を観ることが出来て本当に良かったと思ったし、心から満足している。

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日記
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白い木蓮の花の下で
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