『アポロ13』は1995年に公開された、実際に起きた宇宙開発での事故をテーマにした作品。公開当時、劇場でも観たけれどケーブルテレビで放送されていたので、25年ぶりに視聴した。
25年も前の作品だけど、改めて観ても面白かった。
『ハドソン川の奇跡』で苦み走ったナイスミドルを演じているトム・ハンクスが若い~。役者として脂の乗り切っている時期で、『フィラデルフィア』『フォレスト・ガンプ』ときて、この『アポロ13』に出演している。
閉鎖空間でのパニック映画はハリウッド映画の定番ネタだけど『アポロ13』はその中でも名作の部類に入ると思う。
古い映画でしかも実在の事故がテーマ…ってことで、のっけからネタバレを入れていくため、ネタバレNGの方はご遠慮ください。
アポロ13
アポロ13 | |
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Apollo 13 | |
監督 | ロン・ハワード |
脚本 | ウィリアム・ブロイルス・Jr. アル・レイナート |
原作 | ジム・ラヴェル ジェフリー・クルーガー |
製作 | ブライアン・グレイザー |
製作総指揮 | トッド・ハロウェル |
出演者 | トム・ハンクス ケヴィン・ベーコン ビル・パクストン ゲイリー・シニーズ エド・ハリス キャスリーン・クインラン |
音楽 | ジェームズ・ホーナー |
公開 | 1995年6月30日 1995年7月22日 |
あらすじ
1969年7月20日、宇宙飛行士のジムは自宅で仲間たちと、全世界に中継されていたニール・アームストロングの月面歩行を見ていた。3回の宇宙飛行を経験したジムは、アポロ14号で最後のミッションを行う予定だったが、アポロ13号の船長になる予定だったアラン・シェパードが耳の疾患により突然、搭乗することになる。
打ち上げ2日前。アポロ13に搭乗する予定だったケンの検査に引っかかったため、急遽メンバー交代となる。
トラブル続きでの出発となったアポロ13は打ち上げ後、宇宙センターから司令船に酸素を攪拌せよとの指示に従い、スイッチを押した。
すると、爆発音共に司令船が大きく揺れ、ジムは機体からなにかが吹き出ているのを確認した。
吹き出ていた物は酸素。酸素漏れを防ぐには燃料電池の反応ガス弁を閉じなくてはならなず、アポロ13は月面着陸を断念する。
アポロ13は地球への再突入のための電力を確保するため、電源を落とすことになった。
足りない電力と上がり続ける二酸化炭素の濃度…果たしてアポロ13は無事に帰還出来るのか?
宇宙開発と事故
2020年。科学の進歩により、一般人も宇宙に行くことが出来るチャンスが巡ってきているけれど、宇宙開発の歴史は事故の歴史でもある。
私が記憶している範囲だと打ち上げ直後に爆発した1986年のスペースシャトル・チャレンジャー号の事故が印象的だったけれど、世界的に見ると宇宙開発絡みの事故は多く、ソユーズでも死亡事故が起こっているし、最近だと2014年にアメリカの民間宇宙開発会社でも死亡事故が起きている。
アポロ13の事故は宇宙開発史の中で「輝かしい失敗(successful failure)」と呼ばれていて、搭乗者が全員生還している。
次々と押し寄せるトラブル
「悪いこと」って言うものは重なる時には重なるし、1度悪い流れに乗っかってしまったら笑っちゃうほど次々と悪いことが続いていく。『アポロ13』の事故はまさにそれ。
- 船長の疾患による交代
- メンバーの交代
- 予定外のチームでの打ち上げ
- 爆発事故
- メンバーの発熱
「そんな状況で、よくぞ生きて戻ってこれたね!」としか言いようがない。
『アポロ13』の面白さは次々と押し寄せるトラブルに立ち向かう男達の格好良さにあると思う。
裏方メンズにグッとくる!
宇宙事故…と言うと、当然ながら搭乗メンバーがメインの物語になるのだけど『アポロ13』の場合は地球にいる人間達の活躍が凄まじい。
猛烈に頭の良い頭脳集団が絶望的な状況の中で「全員無事に帰還させる」と言う目標に向かった試行錯誤する姿は控えめに言って胸アツ。
個人的には主席飛行管制官、ジーン・クランツ(エド・ハリス)の白いベストを来た姿の格好良さにやられてしまった。
音楽も良き
『アポロ13』は緊迫した物語ばかりに目がいきがちだけど、実は音楽も素晴らしい。
『アポロ13』の音楽を担当したジェームズ・ホーナーは『タイタニック』のメイン曲『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』の作曲者でもある。
『タイタニック』だけでなく『コクーン』『薔薇の名前』『ディープ・インパクト』等「あ。この曲知ってる」って曲を山ほど制作してきた。
『アポロ13』で使われている音楽も作品の中で本当に良い仕事をしているので注目して戴きたい。
宇宙飛行士はカッコイイ
宇宙飛行士は頭が良いだけでなく、肉体的にも精神的にも優れていないと駄目だと言うけれど『アポロ13』を観ていると、そこら辺を歩いている普通の人間では無理なんだ…ってことがしみじみ分かる。
トム・ハンクスが演じたジム・ラヴェル、文句なしにカッコよかった!
最後まで諦めない強い心と、どんな状況でもメンバー全員に対して気配りの出来る器の大きさ。あんなん惚れる…惚れてしまうやん。
最近、映画館で映画が観られないので古めの映画を観る機会が増えているけれど、良い映画は時間を経ても良いものだ。25年経っても古臭さを感じさせない面白さだった。