お正月休みに予備知識ゼロの状態で題名に惹かれて録画した。題名から受けた印象からの予想はこんな感じ。
- オーロラの秘密を研究する学者の物語
- アラスカを舞台にしたラブロマンス
……予想とはまったく違った物語だった。自分勝手に想像していただけなので、予想が外れたからと言ってなんて事はないのだけれど。
学者の話でもラブロマンスでもなく、タイムパラドックス系の作品だった。ちにみに原題は『Frequency』(周波数)だ。邦題がロマンチック過ぎだと思う。
オーロラの彼方へ
オーロラの彼方へ | |
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Frequency | |
監督 | グレゴリー・ホブリット |
脚本 | トビー・エメリッヒ |
製作 | ビル・キャラロ トビー・エメリッヒ グレゴリー・ホブリット ハワード・W・コッチ・ジュニア |
製作総指揮 | ジャニス・ロバート・チャスキン リチャード・サバーステイン ロバート・シェイ |
出演者 | ジェームズ・カヴィーゼル デニス・クエイド |
音楽 | マイケル・ケイメン |
あらすじ
1969年、アメリカ。フランクは消防士として働くフランクは愛する妻のジュリアと息子のジョンがいて幸せな日々を送っていた。
妻のジュリアは看護師。ニュースでは、看護師ばかりを狙った「ナイチンゲール殺人事件」が話題になっていた。
そして時が流れて30年後の1999年。大人になった息子のジョンは警察官になっていた。一方、フランクはジョンが小さい頃、仕事中に殉職していた。
ある日、ジョンはフランクが使っていた無線機を見つけ久しぶりに無線機のスイッチを入れる。
しばらくして誰かと通信が繋るが、実は通信相手は30年前の父、フランクだった。
ジョンは父のフランクに、明日の火事で焼死することをジョンが伝えます。直感を信じないで、別の逃げ道を使えば助かると伝える。
フランクは、ジョンのおかげで殉職をまぬがれるのだが、そのことで未来が変わり、ナイチンゲール事件に巻き込まれて、フランクの妻のジュリアが殺害されてしまう。
誰かが助かれば誰かが死ぬ…
ジョンとフランク親子は最善の未来を目指して試行錯誤をはじめるのだった。
誰かが助かると誰かが死ぬ
「やり直しが効く人生ってどうなの?」って気持ちがどうしても生まれてしまうので、個人的にはタイムパラドックスって好きじゃないネタだったりする。
だけど『オーロラの彼方へ』の主人公親子は「自分達の幸せのために」と言う部分もあったけれど、それ以上に「誰かを不幸にさせないために」頑張っているのでギリギリ許容範囲内。
ノリとしてはアニメだけど『シュタインズ・ゲート』と似ているかも。
正義のためだったり、誰かの幸せのために尽力するのなら、チート能力を使ったやり直しもアリ。
ネバーギブアップの精神で最善の未来を模索する親子を見ていると「頑張れ!」みたいな気持ちになってしまった。
タイムパラドックス物ではあるももの、ベースは殺人事件を追う形になってるいので物語に飽きることなく、話がどんどん進んでいくので退屈している暇がない感じだった。
アメリカ人の理想
アメリカ人って消防士とか警察官が大好き過ぎだと思う。
日本の映画やドラマで消防士が主人公の作品って、あまり観ない気がするけれど、アメリカ映画では定番感がある。例えば往年の名作映画『バックドラフト』なんかは「the・カッコイイ消防士」って感じだったし。
消防士の父と警察官の息子……アメリカ的理想の親子なのだろうなぁ。
『オーロラの彼方へ』の中には良きアメリカ人親子の描写が「これでもか!」と言うほど突っ込まれている。
- 親子間だけで使う特別な呼び名
- 自転車の練習
- 野球
アメリカ人的にはグッとくる感じなのだと思う。日本人視点で観ると「へぇっ。アメリカ人の理想の親子ってこんな感じなんだなぁ」くらいのものだけど。
無難に面白い王道のアメリカ映画…って感じの作品だった。
あえて文句を言うのであれば「邦題はなんか違うよね?」ってことくらい。『オーロラの彼方へ』って題名だけど、オーロラの存在感はあまりない…ってことを感想の最後に記しておく。