読んだ本の『50音別作家一覧』はこちらから>>

映画『君の名前で僕を呼んで』感想。

記事内に広告が含まれています。

『君の名前で僕を呼んで』は2017年に公開されたイタリア・フランス・ブラジル・アメリカ合衆国合作の恋愛映画。

ケーブルテレビで放送されていて「題名からして恋愛映画なんだろうなぁ」程度のイメージしか持たずに予備知識ゼロで視聴したのだけど、男同志の恋愛を扱った作品だった。

今回はふんだんにネタバレを含む感想になるので、ネタバレNGの方はご遠慮ください。

スポンサーリンク

君の名前で僕を呼んで

君の名前で僕を呼んで
Call Me by Your Name
監督 ルカ・グァダニーノ
脚本 ジェームズ・アイヴォリー
原作 アンドレ・アシマン(英語版)
Call Me by Your Name
出演者 アーミー・ハマー
ティモシー・シャラメ
マイケル・スタールバーグ
アミラ・カサール
エステール・ガレル(英語版)
ヴィクトワール・デュボワ(英語版)
音楽 スフィアン・スティーヴンス

あらすじ

1983年、17歳のエリオ・パールマン両親と共に北イタリアの別荘で一夏を過ごしていた。

エリオは、アメリカの名門大学で教鞭をとるギリシャ・ローマ考古学の教授と、何ヶ国語も流暢に話す母親の一人息子。

恵まれた環境で育ったエリオは、他の同年代の子どもに較べると圧倒的に聡明で文学や古典に親しみ、語学や、音楽の編曲を趣味にする(ピアノとギターを弾く)など、成知性豊かな青年だった。

毎年パールマン教授は、博士課程の学生を1人、アシスタントとして別荘に招待する。今年やってきたのは、課程論文を執筆中のオリヴァー だった。

エリオは、自信と知性に満ちたオリヴァーを、はじめは嫌厭するものの、少しずつ彼の魅力に取り憑かれていく。

まったり淡々と進む恋物語

最初に書かせて戴きますが、私には『君の名前で僕を呼んで』を楽しむ事が出来ませんでした。作品が良いとか悪いとか以前に、嗜好の方向性が違うのです。

ラーメンが好きと言っても「あっさり塩ラーメンは好きだけど、背脂ギンギンのラーメンは苦手」って人がいるじゃないですか。私には合わなかっただけで、このタイプの作品が好きな人はいると思っているので悪しからず。

さて。『君の名前で僕を呼んで』は驚くほどのまったりペース。

「イタリアのバカンス凄いな!」と驚かさせるばかり。基本的な流れはこんな感じ。

  • 主人公のエリオ少年、起床
  • ご飯食べる
  • 川とか池で泳ぐ
  • ギター弾いたり本読んだりする
  • ご飯食べる
  • 寝る

……延々これの繰り返し。

主人公であるエリオ少年の前にオリヴァーが現れてからも、ずっと同じペースで進んでいくので、正直退屈だった。

淡々と進んでいくタイプの作品でも圧倒的に映像が美しかったり、音楽が素晴らしかったりすると、それだけで楽しめるのだけど『君の名前で僕を呼んで』の場合はどの要素も「そこそこ綺麗」レベルで圧倒的な美しさは感じられなかった。

イタリアを舞台にした映画でも『ジュリエットからの手紙』は映像を観ているだけで癒やされる感があったけど、イタリアの美しさが生かされている感じはしなかった。

ありがちな同性愛葛藤

主人公のエリオ少年は同性愛者と言っても、とても恵まれた環境下にいる。

母親は早い段階で息子が同性しか愛せないことを気づいたものの、息子を理解して受け止めていた。

そしてエリオ少年の父親はゲイ寄りのバイセクシュアル。

実は若い頃に男性と恋に堕ちた過去がある。自分がゲイであることを隠して結婚しているため、エリオ少年の全てを受け入れてくれている。

一方、エリオ少年の恋のお相手、オリヴァーは「自分がゲイだと知れたら矯正施設に送られる」と語っていて、エリオ少年を深く愛しながらも「同性愛者=悪」と言う価値観を持っている。

これは最初から2人が幸せになれる訳がなさ過ぎる設定。

結論から言うと『君の名前で僕を呼んで』は「ひと夏の恋」でしかなく、オリヴァーはエリオとの恋を捨てて普通に結婚することを選び、エリオ少年は失恋する。

一途じゃない恋愛は苦手なので……

「同性愛者の人達は理解されなくて大変だよね」って言うコンセプトは理解出来る。

でも、私は恋人達が自分の恋愛に対して一途じゃないのところが、どうしても好きになれなかった。

オリヴァーはエリオ少年を愛しながら、自分がゲイであることを隠して結婚する道を選んでいる。

そしてエリオ少年はオリヴァーとの関係が上手くいっていない時に、自分がゲイであることを隠して女の子とお付き合い(セックス込み)をした上に「ゴメン。やっぱり君のことは好きじゃなかったわ」的な感じで、女の子と別れている。

ゲイが苦悩するのは気の毒だと思う。思うけど、だからって心から自分のことを慕ってくれている女性を傷つけて良い訳じゃないと思うのだ。

「あの時代は同性愛者への差別が酷かったから仕方ないんだよ」みたいな考え方もあるだろうけど、女性同士の恋愛を描いた『キャロル』を観た時と同じ嫌悪感を覚えてしまった。

自分の人生が過酷だからと言って、それが他人を傷付けても良い理由にはならいないと思うのだ。

音楽とか文学が好きな人は楽しいかも

作品への文句ばかり書いているのも申し訳ない気がするので、良かった探しも少しばかり。

エリオ少年は早熟で知性豊かな子なので、音楽とか文学とかが好きな人が観れば共感出来る部分は多いと思う。

本を読んだり、文章を書いたり、ギターやピアノを弾いたり……

エリオ少年の夏休みはある意味ヲタクにとって理想の夏休みでそれについては素直に羨ましいと思った。

私もあんな風にはバカンスを楽しんでみたい。

『君の名前で僕を呼んで』は恋愛映画としては好きになれないタイプだったけれど、観た後に色々と語りたくなるような作品だった。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
映画
スポンサーリンク
白い木蓮の花の下で