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デウスの棄て児 嶽本野ばら 小学館

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初めて参加したサイン会で購入したハードカバー本である。

サイン会の感動は日記に書いたので、気になる方はコチラまで。

嶽本野ばらはサイン会に行くぐらいそこそこ好きな作家さんではあるのだけれど今回の作品はダメだった。

読書録には書けていないものの、なんだかんだと著作物(解説本等を含まず)は、ほぼコンプリートさせてもらっているのだが、今まで読んだ中だと、最高にイマイチな作品だった。

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デウスの棄て児

ポルトガルへ売られた美しい母親と、妻子がある男の間に生まれた天草四郎。

母親譲りの美貌を持つ四郎には、不思議な超能力が備わっていたが、不義の子として虐げられ、父親からも「悪魔の子」と恐れられる日々。

神に弄ばれ、棄てられ、絶望した四郎は、神を見限り、神への憎しみを原動力に生き始める。やがて母親と日本にやってきた四郎は、その美貌と特殊な能力により、隠れ切支丹たちから神の遣いだと崇められることになるが……。

アマゾンより引用

感想

天草四郎を主人公にした小説なのだが、どうにもこうにも薄っぺらさが、かなり見苦しい。

私はキリスト教信者ではないけれど、なまじっか三浦綾子だの遠藤周作だのにはじまって、あちこちのキリスト教系の小説を読み漁っていたからかも知れないけれど。

主人公が天草四郎である必要性は、まったく感じられなかったのだ。

シュチュエーションを楽しむものとするなら「まぁ。仕方ないか」って気はしないでもないが、何しろキリシタン禁制時代の物語は良質なものが多いだけに、ダメっぷりが際立った……というか。

ラストあたりの主人公の語りは「敗者の美学」というか、野ばら節炸裂な感じで面白かったけれど、それ以外は読むところが無かったと言っても過言ではない。

エンターティメントを意識した作品か、そうでなければ「乙女と恋愛」のみに焦点をしぼったロマンチック物の方が作者には似合っているように思う。

もっとも今回の作品でそういうイメージを少しでも変えたかったのだとは思うのだが。

作品はイマイチだったが、装丁と帯はなかなか素敵だった。

サイン会に行かなくても書店で平積み攻撃されたら買っていたかも知れない。

サイン会は楽しかったので、この本を買ったことに後悔はなかいが、図書館で借りて読むので十分だな……と思う1冊だった。

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