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鱗姫 嶽本野ばら 小学館

嶽本野ばらの作品は『カフェー小品集』を読んで、あまりの「乙女光線」にクラクラしたので、もう彼の作品を読むことはないだろうと思っていたのに某所で「他の作品も読んでみます」と宣言しちまったので、なんとなく読むことになってしまった。

日記に感想を書こうか、どうしようかと迷ったけれど、やっぱり書いてみることにする。

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鱗姫

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奇跡的な美肌と美貌をもつ京都の名門龍烏家の長女・楼子は、最愛の兄・琳太郎とともに、揺籃の中で日々美しきものだけを愛する暮らしを送っていた。

その楼子を奇病が襲う。やがて発病を待っていたかのように、楼子の憧れる美貌の叔母・黎子がやってくる。その叔母の口から、楼子は、病を伝える龍烏家の秘密を明かされるが…。

美しきものと醜きものを苛烈に峻別してきた美意識が、己自身の身体を脅かす醜きものに恐怖する。耽美をモットーとする著者が、美の孤絶を高らかに宣言した異形のホラー。

アマゾンより引用

『鱗姫』は正直なところ「誰にでもオススメ」できる作品ではないように思う。ロマンチック・ホラーと呼ぶのが、しっくりくるような耽美だが、グロテスクで、醜悪なものが溢れている作品だった。

ヒロインは完璧な「乙女」であり「お嬢様」なのだが「鱗病」という奇妙な病に罹患した女子高生である。

物語は「鱗病」という病を軸にとして「美とはなにか」「愛とはなにか」「プライドとはなにか」……といったナルシスティックな命題が展開されていく。

『鱗姫』という作品をあえて分類するなら三島由紀夫や谷崎潤一郎から派生した一派の作家さんが書いた作品と言っても良いと思う。が。いま一歩届かず…と言った印象。

天使は美しく、悪魔は醜く描かれるのが根本原理である……というような話が作品の中で展開されていた。

しかし私はちょっと首をかしげてしまった。それも一理あるが、果たして、本当にそうなのだろうか? 物の見方、とらえ方には無限の可能性があるのではなかろうか?

嶽本野ばらは文章も美しく、力のある作家さんだと思う。だが「何か」が足りないような気がしてならない。

嶽本野ばら自身が「乙女のカリスマ」と称される存在となって活字離れが激しい時代に、多くの読者を惹きつけているのは本好き人間の私としては拍手を送りたいところではあるのだけれど。

闇に惹かれるのも人間だが、光に惹かれるのも人間だ。

『鱗姫』が魅力的な作品であるのは事実なのだが両手を上げて賛成できない1冊だと思った。

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白い木蓮の花の下で
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