う~む。イマイチ。悪くはないと思うのだけど、私とこの作家さんの作風は相性が悪いようだ。
需要はあると思う。好きな人はハマるだろう。
しかし、感性が勝手るタイプの作品って肝心の「感性」が合わないと、どうしようもないのだ。
ハルモニア
きみが音楽の魂ならば、ぼくは音楽の肉体だ――二人の音大生の恋と運命を描く、芥川賞受賞第一作。
きみはぼんやりしているぼくを押し倒して唇を寄せてくる。このセックスはスケルツォみたいだな、とぼくは思う――スラブ系の血をひく天才美少女、その才能を誰よりも理解し、自由を受け入れる優しい青年。
作曲家志望の二人と個性豊かな友人たちの恋と友情。音楽の秘密を探し、新しい音楽を作るのに必要なものは何かを問う表題作に最新短編を併録。
アマゾンより引用
感想
表題作の『ハルモニア』は音大に通う若者達の物語。一応、青春小説って感じかな。
たぶん『のだめカンタービレ』とか『ハチミツとクローバー』が好きな人は好きなんじゃないかと思う。
個性的でワガママで特別な感性を持つ若者が主人公。
小説としては正直普通過ぎな気がした。芸術家が個性的でワガママなのは当たり前の話で、どこか突き抜けていたり「この人ダメ人間だけど愛し過ぎるわ」という魅力が無ければ、面白くない。
もしも私が中高生の時に出会っていれば楽しめたかも知れないのだけど、中年のオバチャンにはついていけない世界だった。
芸術を描いている作品にしては狂気が足りない。
登場人物1人にしても「この人は私達凡人とは違う世界に生きているんだ」というような物が無ければ、ただのワガママで幼い人にしか思えないのだ。
この作家さんの作品は3冊読んで3冊ともイマイチだったので、余程のことが無い限り次はないと思う。