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偽姉妹 山崎ナオコーラ 中央公論新社

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この本に関して私は1つも良い事を書かないので、山崎ナオコーラさんが好きな方はここから下を読まない方が良いかと思う。

それでもなお「気になる」と言うのであれば、是非「良いことは1つも書いていない」ということを頭に置いて挑んで戴きたい。(大事なこなので2回書きました)

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偽姉妹

あるとき3億円の宝くじが当たった真面目で地味な正子(35歳)。

当せん金で『屋根だけの家』という風変わりな家を建て、イケメンの夫・茂と息子の3人で暮らしていたが、茂の浮気で離婚。

シングルマザーになった正子は、姉妹の衿子・園子と暮らすことに。ただ、姉妹同士の共同生活に息苦しさを感じはじめた彼女は、奇想天外なアイディアを思いつく。

結婚に〝離婚〟があるのなら、姉妹だって別れたり、新たに作ったりしていいのでは――?

アマゾンより引用

感想

私。どうやら山崎ナオコーラの作風が嫌いみたいだ。「苦手」なんて生温いレベルではない。嫌いなのだ。どうしようもないレベルで受け入れられない。

「そこまで嫌いなら読むなよ」って話なのだけど、この作品を読むまで「そこまで嫌いだった」って事に気づかなかったのだ。

「合わないなぁ~」と言う自覚はあったのだけど「発想とか悪くないし他の作品は違うかも知れないし」と思っていて、山崎ナオコーラの作品を読むのは5冊目だったりする。

もっと早く合わないって事に気がつけば良かったのになぁ。

さて。私の愚痴は一旦置いておくとして。この作品は題名の通り「偽物の姉妹」がテーマ。具体例を出すとするなら、阿佐ヶ谷姉妹とか叶姉妹とかそんな感じ。

主人公は宝くじが当たったお金で『屋根だけの家』という風変わりな家を建て、イケメンの夫・茂と息子の3人で暮らすも茂の浮気で離婚。

シングルマザーになった主人公は最初のうちは実の姉妹と一緒に暮らすのだけど、途中から方向が変わってきて…って感じで物語が進んでいく。

あらすじだけ読むと「面白そう」って思っちゃうし、私もそこに喰い付いた。それなのに私は設定から何からいちいち癇に障って楽しめなかったのだ。特に楽しめなかった理由は大きく分けて3つある。

  1. 住宅図面に携わっていた観点で言うと、あの家は控えめに言って無理
  2. 子育て舐め過ぎていて無理
  3. 「私の考え凄いでしょ」的な滲み出るドヤ感が無理

まず1つめの家について。

小説なのである程度のぶっ飛んだ設定はアリだと思うものの、流石にアレはない。

プライベートを取っ払った家。しかも赤ちゃんがいるのに螺旋階段とか!(一応、ベビーゲートつけてる設定だったけれど)現実の大人が主人公じゃなくて、異世界と設定たったり10代の女性だったらアリだったのだけど。

そして2つめ。「ファッション子育て乙!」としか言いようがない。

これについては、やっちまってる女性作家さんが多いので、目を瞑るよう心掛けているものの「ペットじやねぇんだよ」レベルの楽な子育てに空いた口が塞がらない。

そして3つめ。これが1番無理だった。

「私の発想、素敵でしょ?」な感じがどうにも受け入れられなかった。フェミニズム論を小説で展開する意味が分からない。

読んでいて「面倒臭い女達だな」としか思えなかった。

誤解のないよう言い訳をしておくけれど、私は女性なのでフェミニズム論には興味があるし、それ自体が嫌いって訳ではない。な

んと言うのかな…同じ宗教でも宗派が変われば全然違うし受け入れられない…ってのと似ている気がする。

そんな訳で私はこの本の良さが1ミリも理解できなかったのだけど、この路線が好きな人がいるのは理解出来るし、そこそこ評価される作品だと思う。

要するに私には合わなかった…ってだけの話。

それはそれとして、山崎ナオコーラの作品はこれを限りに卒業しようと思う。