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マレフィセント エリザベス・ルドニック 偕成社

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ディズニー映画の『眠れる森の美女』をベースにして作られた『マレフィセント』と言う映画の原作本。

偕成社から出ているディズニー映画の子ども原作本シリーズの中の1冊。

『マレフィセント』の映画の内容が気になったので読んでみた。子ども向けではあるけれど、想像以上にちゃんと書かれていて、大人が話の内容を知りたい時に読んでもいいと思う。

今回はネタバレを含むので苦手な方はスルーしてください。

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マレフィセント

「眠れる森の美女」の悪役マレフィセントの物語。オーロラ姫に呪いをかけた本当の理由とは? 2014年7月公開映画の小説版。

アマゾンより引用

感想

主人公のマレフィセントは『眠れる森の美女』のオーロラ姫に呪いをかける妖精。

実はかつてオーロラ姫の父と恋仲だったのだけど、父から手酷い裏切りを受けて、娘のオーロラ姫に呪いをかける役回り。

映画自体は大人向けなので問題ないのだけれど、オーロラ姫の父がクズ過ぎてビックリだった。そしてマレフィセントが不憫で不憫で。

現代風にアレンジするなら「ライバル社の美女と恋仲だったのだけど、自社の社長がライバル社をギャフンと言わせたら、娘の婿にしてやると言うので、恋人を陥れてやりましたわ!」って感じだろう。

物語の肝はマレフィセントがオーロラ姫の成長を見守っていくうちに心が癒やされオーロラ姫に深い愛情を持つようになるところ。

『赤毛のアン』のマリラ、『アルプスの少女ハイジ』のおんじのポジション。なんだか、すっかり感情移入して読んでしまった。

若い頃だったら「裏切った男の娘なんて……」と思っただろうけれど、今の私にはマレフィセントの気持ちが分かり過ぎなのだ。

年をとるって不思議だと思う。今の私は『赤毛のアン』を読んでもマリラ視点でしか読めなくなっているのだ。

面白かったのは、オーロラ姫の呪いを解くのが王子のキスではなかったというところ。

結局、マレフィセントがオーロラ姫の額にキスをして呪いが解ける。これは『アナと雪の女王』と同じ解釈。

実際、会ったばかりで惚れた腫れたの相手に対して「真実の愛」とか言っても無理がある。ディズニーはエロスの愛をから、アガペの愛に乗り換えのだろうか。

個人的にはエロスの愛を全開にした『リトルマーメイド』よりも好きな解釈。

子ども向けだからと軽く手に取ったのだけど、想像以上に面白くて楽しい時間を過ごさせてもらった。またDVDのレンタルがはじまったら映画も観てみたいと思う。

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