最近はシニアと呼ばれる年代の人達もパソコンやインターネットに精通する人が増えてきた。
私はインターネットが無いと生きていけないタイプの人間で、友人や夫もインターネットで知り合った。もはやインターネットとパソコンには足を向けて眠れないくらい感謝している。
長年の友人に親子ほど年の離れた人がいる。
趣向を通じて知り合った人でかなり長いこ文通をしていた。お互い状況も変わり、連絡手段は文通からメールに変わったけれど、今でもたまに連絡を取り合っている。
彼女もまたパソコンを使う人で趣味のブログを続けているのだけれど、ここ最近お孫さんの写真をアップするようになった。
赤ちゃん時代は「まぁ、赤ちゃんの顔なんて似たり寄ったりだし大きくなったら顔変わるしな…」くらいに思っていたのだけれど、幼児期に入っても写真をアップし続けていて「ちょっと…これはヤバイよ。孫の写真アップしちゃ駄目だって…」と思いつつ、声をかける事が出来ずにいる。
自分の写真をインターネットにアップすることのリスクについては今さらここで語るべき話題ではないと思うのだけど、シニアと呼ばれる年代の方のブログやTwitterを拝見していると、写真と共に個人情報ダダ漏れ状態で公開している人が少なくない。
私のサイトの常連さんは私と同世代の人が圧倒的に多いのだけど、中にはお孫さんのおられる方もいらっしゃると思う。
今回はちょっと不愉快な話を書くけれど、お孫さんの写真をネットにアップしている方は是非とも読んで戴きたい。
お孫さんの写真をTwitterやブログにアップしている人って「私のブログを読んでくれているのは常連さんばかりだし」とか「そもそもうちの孫は平凡で美人って訳でもないし」とか思っておられる方が多いと思うのだけど、その考えは危険です。
私は自分がヲタクであり、ヲタクの素晴らしさも気持ち悪さも知っているだけに、あえて書きます。今回はいつもの日記と違って大長編です。興味の無い方はスルー推奨。
子どもの写真をインターネットにアップしちゃ駄目です。これは絶対です。
子どもの写真をアップしちゃ駄目な理由
「うちのブログには常連さんしか来ないから」って思った方はグーグルで「孫 可愛い」と入力して画像検索してみてください。
モデルさんやプロの写真も沢山ありますが、どう見ても一般人の写真が沢山ありますよね?
子どもの可愛い写真を検索から引っ張り出すのは簡単な事なのです。インターネットに孫の写真をアップすると言うことは全世界に向けて「うちの孫はここにいるよ~。みんな見て、見て~」と言っているのと同じです。
世の中には小児性愛者(ペドフェリア)と呼ばれる人達がいます。
彼らの性慾の対象は小さい子どもです。「でも裸の写真じゃないし、うちの子そこまで美人じゃないし」と思いますか? そんそなの関係ありません。ヲタクの技術は凄いのです。
お孫さんとは別の裸の幼児の写真にお孫さんの顔写真を合成したり、逆にお孫さんの身体の写真に美少女の写真を合成するなんて朝飯前です。そしてさらに言うなら、もっと酷い事に使われる可能性も否定出来ません。
インターネット上では小さい子どもを陵辱したり、惨殺したりする小説を個人で書いている人もいます。
もし…彼らがお孫さんの写真を挿絵代わりに使ったらどう思いますか?
念のため書いておきますが「うちの孫は男の子だから」となんて事は通用しません。男の子の愛好家も沢山います。
世の中には自分と違う性嗜好の人が沢山いるんだって事を忘れないでください。
実際、私は15年以上前に個人の写真を無断で使っていたであろう不愉快なサイトをプロバイダーに通報した事があります。
当時はまだTwitterだのブログだのが全盛期ではなく、個人が自分の情報をインターネット上にアップする習慣は無かったのですが、卒業写真等を切り貼りして作っていたのだと思います。
そのサイトは一部で話題になっただけでプロバイダーの手によって削除されました。テレビで報道されなかったとしても、この類の出来事は今でも密かに起こっているのです。
最近はインターネットで個人情報を削除するための要請をする人が増えているようですが、一旦インターネットにアップされてしまった情報を完全に消すことは不可能です。
最悪、お孫さんが不利益になる情報が永久に消えない……なんて事は普通に起こります。
住所等を特定されるリスクも考えてください
ブログに孫の成長を事細かに書いたり「風景と孫」なんて写真をアップしたりする事で、住所を特定されてストーカーに遭う…なんて可能性も否定出来ません。
「うちは田舎だしストーカーをする人なんていないと思うけど…」と考える人もいるかと思いますが、むしろ田舎の方が要注意です。
子どもの数も保育園・幼稚園の数も限られてくる分だけ特定するのは簡単です。
実のところ、私が長くブログを拝見している方の中にも「あっちゃぁ…これだけヒント出しまくってたら、私でも本気出したら孫の保育園特定できるわ」って方がおられます。
インターネット大好き人間達の特定能力を馬鹿にしてはいけません。些細なヒントからアッっと言う間に身元がバレます。
最近は祖父母ではなく両親が自分の子どもの写真をインターネットにアップしている人も多いのですが、正直言って「両親なら仕方ない」と思っています。
インターネットの注意事項を知っているにも関わらず、やってしまうのであるならば不幸な出来事が起こってしまっても仕方ないかな…と。
子どもは親を選べないので当事者のお子さんは可哀想だと思いますが「恨むなら親を恨んでね」としか言えません。
しかしインターネットの怖さを理解せずに、あっけらかんと祖父母が孫の写真をアップしちゃうのは「ちょっと待った~」と言わずにいられないのです。
何か起こってしまったら孫にも我が子にも恨まれてしまいます。可愛いお孫さんの将来に傷を付けるような事はどうぞ止めてください。
子どもの写真をインターネットに載せる時の注意点
ちょっと厳しく書かせて戴きましたが「じゃあ、個人のブログ(日記)は書いちゃ駄目なのか?」とか「ブログに子どもの写真を載せている人も多いじゃないか?」と思われるかも知れませんが、これには少しコツがあります。
例えば個人の日記を書く場合だと地名が特定出来るとことを書かなければ随分リスクは下がります。
例えば私の場合だと大阪に住んでいて「梅田に行きました」「大阪城公園に行きました」と書くのは大丈夫なんです。
誰でも知っている地名で、観光地だったり繁華街の地名を出すのはかまいません。
ただ地元駅の名前や沿線名はNG。
あと、お孫さんを預かっておられる方の場合は、お孫さんを送迎するタイミングや時間帯、行事日程なんかは書かない方が良いかと思います。
ざっくりと「夕方」「先日」と濁して書くことをオススメします。
写真の場合ですが、お孫さんが何か工作をしている写真を撮ってインターネット上にアップしたいとします。
「顔が写っていないから」と全身を出すのはNGです。
「手元だけ」とか「出来上った作品だけ」と言った具合に出来るだけ個人を特定されない工夫をしてください。これだけでも特定されるリスクは随分違ってきます。
理解した上で写真を載せている人もいます
ここまで書いても「え~っ。でもブログに子どもの写真載せてる人、いっぱいいるでしょ? そこまで気をつけなきゃいけない事?」と思う方もおられるかも知れないので駄目押しをしておきます。
世の中には子どもの写真をインターネットにアップするリスクを承知の上で載せちゃってる人も少なくありません。
彼らはそれが仕事なんです。
ブログもサイト運営もやり方によってはお金なります。特に子どもの写真や動画は人気ですから、リスクを承知で子どもを出している人もいます。
これについては「仕事」なのだから他人がどうこう言える問題ではありません。
しかし個人が楽しむ趣味のブログやTwitterの場合、子どもの写真をアップする事は「リスクしかない」と思っておいてください。
言うべきか言わざるべきか……
今回はウダウダと長文で書かせて戴きましたが「子ども好きのお節介おばちゃんの上から目線アドバイス」って事で受け止めて戴けると幸いです。
そして私はこれだけダラダラ書いたのに20年来の友人には「孫の写真をアップしない方がいいよ」とは言えずにいる訳です。
余計なお世話だって自覚はありますし、彼女にも子どもがいるので「それは子どもが言うべき事だよな」って気持ちもあります。
この文章を読んで「もう孫の写真をインターネットにアップするのやめよう」と思ってくれる方が1人でも増えれば幸いです。
インターネットは楽しいところですが、人生狂っちゃうレベルで怖いところでもあります。くれぐれもお気をつけて!