先日、実母が70歳の誕生日を迎えた。
実母を知る人に実母の年齢を言うと「えっ? そんなにお若かったの?」大抵の場合驚かれる。実母は若い頃から心身とも面倒臭い人で一般的な感覚から言うと実年齢に10歳プラスしたくらいの印象の人だ。
老人と言っても70歳だとまだまだ元気な方も多いと思うのだけど、実母の場合はどこからどう見てもお婆さんだし、本人もガッツリ老け込んている。
今年の実母の誕生日は娘の運動会の代休だったので、お昼にお寿司とノンアルコールビール、低糖質ケーキを買って実家を訪ねた。
本当は外食に連れて行きたかったのだけど「しんどいから出掛けたくない」と言う母の希望で持ち帰り寿司。結果的にはその日は雨が降っていたので、実家でお祝いしたのは正解だった。
今だから笑い話ではあるけれど自分と60歳年が違う娘が産まれた時、実母はこう宣言した。「私は身体が弱いからこの子が10歳になるまで生きていない」と。
娘に初めての子どもが産まれてお祝いムードが盛り上がる中、そんな事を口にするあたり、実母がどんな人物なのかをお察し戴きたい。
しかし、その宣言を覆して実母は70歳の誕生日を迎え、娘はもうすぐ10歳になる。
人の寿命って健康とは関係ないところで設定されているように思う。
実際、母の知り合いや友人達の中にはすでに鬼籍に入っている人が多い。病気だったり不慮の事故だったり。健康だから長生きするとは限らないし、病気がちだから早く死ぬとも限らない。
実のところ私は「実母は娘の成人式あたりまでは生きているんじゃなかろうか」と思っている。それどころか「ひょっとしたら花嫁衣装を見せるのも可能かも」なんて考えが頭をよぎる。
私は若い頃から母が嫌いだったし今も決して好きではないけれど、出来るだけ健やかに暮らして欲しいと願っているし、私が面倒を見続けなくてはならないのだと覚悟はしている。
昔ほど嫌いじゃなくなった…言うか、付き合っていくコツを掴んで楽になった。
これは結婚して夫が支えてくれる分、心の余裕が出来たのと、子育てを経験して「高齢者は2歳児のようなもの」と諦める事が出来たらだと思う。
来年の実母の誕生日も美味しいものを囲んでお祝い出来たらいいな…と思う。