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聖母 秋吉理香子 双葉社

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ネタとオチが命のミステリー作品ですが、盛大にネタバレを盛り込んだ感想になりますので、ネタバレを読みたくない方はご遠慮ください。

ネタバレせずに感想を書く方がスマートなのは理解しているのですが、もともとミステリーマニアではないのでネタバレ抜きだと感想が書き難くかたじけない。

前評判も何も知らない状態で題名&表紙借り。

パラ見した感じだと不妊治療がどうのこうの書いてあったので「これはまた、不妊治療からの親子関係がどうのこうの…って物語かな」と借りたのだけど、ガッツリ猟奇殺人事件だった。

子どもが惨殺される話なので、その類のネタが苦手な方は最初から読まない事をオススメします。胸クソ悪いと思います。

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聖母

東京都藍出市で、幼稚園児の遺体が発見された。被害者は死後に性的暴行を加えられていた。

事件のニュースを見た主婦・保奈美は、大切なひとり娘は無事だろうか、と不安に陥る。警察は懸命に捜査を続けるが、犯人は一向に捕まらない。

娘を守るため、母がとった行動とは。『暗黒女子』の著者が放つ驚愕の長編ミステリー!

アマゾンより引用

感想

私は子を持つ母だけど「それはそれ。これはこれ」で楽しめるタイプなので面白かったものの、つい最近も小学生の女の子が殺害される事件があったところなので、子どもの殺害描写が苦手な方は避けた方が良いかも知れない。

保育園児が殺されて陰部を切り取られた状態の死体が発見される…と言うところから物語スタート。この事件がメインとなって第2、第3の殺人が起こる。

この作品はトリックメインではなくて「ミスリード」を多用するところが肝になっているのだけど、私はまんまと作者の罠にハマって最後まで見抜く事が出来なかった。

実はこの作品は最初から犯人がわかっている。

犯人は剣道をする爽やか高校生。名前は真琴と言う。

私はてっきり男の子かと思っていたのだけれど、性別の記載はなく最後の最後で女の子だと分かる。

ショタの男子高校生が猟奇殺人事件を起こした話かと思って読んでいたのに、ラスト近くになってレイプがどうの出産がどうのと言う事になり「えっ! どこに女の子って書いてあった?」とビックリしてしまった。

実は途中で、犯人が同級生の男子から告白される場面があり、作者的にはそこがネタバラシだったようなのだけど、私は「すげぇな。倒錯ショタに同性愛までぶっ込んできたよ」と思い込んでいて、まさか女の子だとは思いもしなかった。

結局のところ犯人はショタでもホモでも猟奇でもなく、比較的まとも(?)な理由から、男の子を殺害した…ってオチがつく。

「騙されたなぁ」と言う面白さはあるものの、無理矢理ミスリードさせた感は半端ない。他にもミスリードさせて話を進めていく部分があるのだけれど、流石に何もかもバラしてしまうのはどうかと思うので、その辺は伏せておくことにする。

私はミステリーを読み慣れていないので「ミスリードで読ませる」と言うネタは面白いとは思ったけれど「騙されちゃったなぁ」以上の物はなく、物語自体も筋書きが分かってしまえば「それって、どうなんだろう?」と言う部分が多い。

とは言うものの、ハマる人はハマるだろうし、それなりに需要はありそう。また機会があれば作者の別の作品も読んでみたいと思う。

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