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イングリ―熱血人情高利貸―  山口恵以子 一二三書房

最近ちょっと気になっている山口恵以子

最初の出会いはNHKの『サラメシ』だった。

山口恵以子は『サラメシ』で新聞配達店の食堂で働きながら小説を書いている人として紹介されていた。松本清張賞を受賞後は精力的に作品を書いて、最近何故かテレビでも文化人枠で顔出ししている。

このまま行けばそのうち直木賞かな…と密かに思っている作家さんだ。

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イングリ―熱血人情高利貸―

ザックリとこんな内容
  • 身長175センチ以上もあり、ガタイが良いけれど顔はイングリッド・バーグマンに似ている…と言う金貸しの中年女と、ノリの軽い男娼のコンビが謎事件を解決する。
  • 連作短編形式。
  • 文章は軽めでラノベ寄りかも。

感想

この作品は松本清張賞を受賞する前に出版されている。

あとがきを読むと「スランプを救ってくれた作品」とのこと。電子文芸誌に連載されていたらしい。ちなみに、連載されていた電子文芸誌とやらは廃刊になっていてすでに存在しない。

『GEN-SAKU』と言う題名の文芸誌で、ドラマ化やアニメ化原作が前提の作品を集めていたのか、連載されていた作品は限りなくラノベ寄り。

この作品もラノベに近いノリなので、ガッツリと文芸、ガッツリとミステリが読みたい人には全く向かない。物凄く軽くて深みがない。だけど「手っ取り早く楽しいのが読みたい」なんて時には全力でオススメしたい。私はけっこう楽しませてもらった。

連作短編形式だけど最後は1つの話に繋がっていく方式。

この人の書く作品は構成が上手いなぁ…と感心する。文章に勢いがあってサクサク読める。じっくり味わうよりザザッと勢いで読むのがオススメ。

作者の作品を読むのはこれで5冊目なのだけど、この人の描く女性は本当に素敵だ。ただし、いい女を描かせたら天下一品なのに対して男性はペラッペラ。

いくら「男前」と書いていても魅力が伝わってこないのが残念。どうしてここまで差が出てしまうのか? いっそ宝塚とか、尼寺とか、保育士・看護師等の女の世界を描いた方が面白いんじゃないかとさえ思うレベル。

私は作者の作風が大好きになってしまっているのだけど、作者の作品にはもう1つ残念なところがある。

すごく「いい女」を描いていて「わぁ素敵。姉さん、ついて行きます!」と思えるような女性はいても「いっそ抱いて欲しい」あるいは「抱いてやりたい」と思えるような女性がいないのだ。

要するに登場人物に色気がない。

作者は真面目な人なんだろうなぁ…と推察する。真面目な作風は魅力的ではあるのだけれど、そこだけがとても惜しい。

少女漫画で言うと里中満智子の作風と似ている気がする。ロマンティック&ドラマティックな作品を描いているのに、何故かちっとも色っぽくない…ってところが。

そうは言うものの「なんか好き」な作家さんなので、これからも読み続けるし応援したいと思う。山口恵以子の他の作品の感想も読んでみる

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白い木蓮の花の下で
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