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爺爺ライダー 薄井ゆうじ アートン

題名惚れして手に取った1冊。

爺さん達が、バイクだのユンボだの車椅子だのに乗って走っているイラストの表紙がなんとも魅力的。

高級老人ホームの閉館により、行き場を失った爺さん達がバイク(他の乗り物含む)で走るという話。ちょっと、あり得ない設定だけど薄井ワールドらしくて面白かった。

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爺爺ライダー

「皆川さん、よしなさい。何のために走るんです」「理由なんかいらない。いままで私は、理由のあることしかやってこなかった。目的なしには指一本、動かさなかった」

これは老いとの戦いだ。存在を否定するものとの戦いだ。死の香りとの戦いなのだ―

皆川光一朗、71歳。未来を求めていま走り出す。

アマゾンより引用

感想

相変わらず薄井ゆうじの書く「爺さん」は魅力的で素敵だ。

老人というよりも1人の人間って感じがなんとも。飄々としているようで、老人らしからぬ情熱を秘めているところが、ツボに直撃する。

どうして走るのかと問われた主人公の爺さんが「理由んんかいらない。いままで私は、理由のあることしかやってこなかった。目的なしには指一本、動かさなかった」と語る場面には痺れてしまった。爺

さんだからこそ…爺さんならではの名台詞だと思う。

走る爺さん、恋する爺さん……と、なかなか盛りだくさんで面白かったのだけど、爺さんの話と平行して進んでいく世界の話が、私には受け入れ難かった。

こちらは、事故で植物状態になった青年と、彼を世話する娘さんの話。「いかにも」な感じの設定と、作者らしい女性描写は素敵なのだけど、ご都合主義なイメージが拭えなかった。

そして、残念なことに2つの世界がリンクしていく過程は、私は興醒めでいただけなかった。だが、この展開が好きかどうかは、人それぞれかなぁ……とは思う。

これまでの薄井ワールドからすると、分かりやすくて読みやすい仕上がりになっているのだけれど、ちょっと読者に迎合し過ぎのように思った。

多少の癖があっても、強引に進んでいくのが作者の魅力だと思っている私にとっては物足りなかった。

爺さんサイドの話が良かっただけに残念ではあるものの、それなりに楽しめる作品だった。

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白い木蓮の花の下で
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