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映画『白い嵐』感想。

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最近、やけに映画づいているのは明確な理由がある。夫の帰宅が遅いのとケーブルテレビを活用するようになった為だ。

以前は娘が寝た後もPCで仕事をする事が多かったのだけど、気が乗らない日は映画など観てリフレッシュした方が効率よく作業できると気付いてからは、ちょくちょく映画を観るようにしている。

『白い嵐』は1961年に起こったアルバトロス号の海難事故が元になっている。

海難事故の生き残りチャック・ギーグが書いた『白い嵐-アルバトロス号最後の航海』が原作。チャック・ギーグは、実際にアルバトロス号に乗船していた生還者。

日本で映画が公開されたのは1996年。公開当時に観たかったのだけど、観る機会が無いままきてしまって、ようやく観ることが出来た。

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白い嵐

白い嵐
White Squall
監督 リドリー・スコット(ブラックホーク・ダウンの監督)
脚本 トッド・ロビンソン
原作 チャック・ギーグ
『白い嵐-アルバトロス号最後の航海』
製作 ミミ・ポーク・ギトリン
ロッキー・ラング
製作総指揮 リドリー・スコット
ナレーター スコット・ウルフ
出演者 ジェフ・ブリッジス
スコット・ウルフ
ジェレミー・シスト
ライアン・フィリップ
バルサザール・ゲティ
ジョン・サヴェージ
エリック・マイケル・コール
ジェイソン・マースデン
音楽 ジェフ・ローナ

あらすじ

オーシャン・アカデミー(アメリカのサマースクール的なもの)に入学したチャックは、シェルダン船長をはじめとした5人のクルーと10数人の訓練生とアルバトロス号に乗船し出航する。

訓練生にはそれぞれ個性的だった。

  • 兄が転落死したトラウマから高所恐怖症となっているギル。
  • 金持ちだけど過保護な父親から一人立ちしたいフランク。
  • 悪ぶっているものの頭の悪さがコンプレックスのディーン。

訓練生達はみなそれぞれに悩みを持ちながら、様々なアクシデントを乗り越えながら仲間としての友情を深めていく。

そして魔のバミューダ海域に突入。

アルバトロス号は伝説の”白い嵐”に見舞われて沈没。5人の死者が出てしまう。

帰還後、船長の責任を問う裁判が行われる……

感想

アクション系の映画はそんなに好きではないのだけど、パニック映画は大好きだ。中でも潜水艦物とか海難事故物は格別に好き。

私は身体に自信のないタイプなので、海難事故にあったら真っ先に死ぬと思うのだけど、映画で観るとなると話が違う。

この作品の場合、パニック映画部分はごく一部。どちらかと言うと少年の成長の方がメインかな…と言う印象を受けた。

「帆船が嵐にあって沈没する話」と言うのは知っていたので、てっきり航海訓練船か何かかと思っていたら、サマースクールでの出来事とのこと。

アメリカではサマースクールで子どもを航海訓練に出すシステムがあると知って、まずそこに驚いた。

小説でも映画でもアメリカでは「サマースクールで起こった悲劇」をテーマにした作品がいくつかあるけれど、悲劇にもほどがあるだろ…って話だ。

タイトルになっている白い嵐(現在ではダウンバーストと呼ばれている)が描写されるのは最後の方だけ。

少年たちの船での生活が鮮やかに描かれている。カッコイイ海の男と、アメリカ男子の成長を愛でる映画だと言っても過言ではない。

若い人が成長していく作品って、その渦中にいる時よりも、過ぎ去ってから愛でる方がずっと楽しい。

この作品の場合「団結」が1つのテーマになっていて、互いに分かり合えなかった少年達が寝食を共にし、訓練を通して協力する中で絆を深めていく過程が丁寧に描かれている。

で。仲間の絆が深まったところに悲劇が起こる訳だ。

現実ってそんな物だと言われてしまえばそれまでだけど、観ていて胸が痛くなった。海難事故物なので当然ながら死者も出る。

仲間や愛する人を救えずに自分が生き残ってしまうのは、どれだけ辛いことだろう。

ラスト、船長の責任を問う裁判で船長と少年達が抱き合う場面は素晴らしかった。

死んでしまった人間は戻ってこないけれど、生き残った人間は生きていくしかないのだ。

最後に少年達の楽しかった思い出の場面が流れるのだけど、それがまた切なくてたまらぬものがあった。

ちょっと観るのにしんどいので何度も観たくなるようなタイプの作品ではないけれど、見応えのある良い映画だった。

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