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映画『チョコレートドーナツ』感想。ネタバレあり。

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娘が寝てから夫が帰宅するまでの時間、最近はパソコンに向かって仕事をするか、3DSで『とびだせどうぶつの森』をプレイするかの二択だったのだど、首と肩が凝りすぎて首が回らなくなってしまったため、撮り溜めていた映画を少しずつ観ている。

今回は『チョコレートドーナツ』の感想など。

「それを言っちゃあオシマイよ」的なネタバレを書くので、ネタバレを読みたく無い派の方はご遠慮ください。

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チョコレートドーナツ

チョコレートドーナツ
Any Day Now
監督 トラヴィス・ファイン(英語版)
脚本 トラヴィス・ファイン
ジョージ・アーサー・ブルーム
製作 トラヴィス・ファイン
クリスティーン・ホスステッター・ファイン
チップ・ホーリハン(英語版)
リアム・フィン
出演者 アラン・カミング
ギャレット・ディラハント
アイザック・レイヴァ
音楽 ジョーイ・ニューマン

あらすじ

物語の舞台は1979年のカリフォルニア。

歌手を夢見ながら、ショーパブでパフォーマーとして日銭を稼ぎ暮らすルディは、客として訪れた検事局のポールと心を通わせ合い、交際を始める。

ルディはアパートの隣の部屋に住むダウン症の少年マルコが、危険薬物を所持し逮捕された母親のために、施設へと隔離された事実を知る。しかしマルコは施設での暮らしに馴染めず、何度も脱走を繰り返す。

ルディは、ポールを説き伏せてマルコを引き取りともに暮らそうと提案する。

ルディはポールは同性愛の恋人同士であることを伏せ、法的手続きによりマルコの監護者となった二人は、本当の両親のようにマルコに愛情を注ぎ、三人で幸せな日々を送る。

しかし周りの反応は冷淡でだった。

ふたりはマルコの養育者と認められず裁判沙をすることとなる。

弁護士の奮闘もむなしく、ルディとポールはマルコとの関係を引き裂かれ、マルコは哀しい最期を遂げる。

感想

音楽も映像も素晴らしくて面白い映画だったけれど、考えさせられる映画でもあった。

まず同性愛カップルに対する差別について。物語の舞台は1970年代とのことなので、今とは事情が違っているとは思うのだけど「自由の国」と呼ばれるアメリカでも差別は存在する。

よく「日本では同性愛者に対する差別がある。アメリカでは結婚も出来るし…」と言われるけれど、少なくとも日本では同性愛者だからと言う理由で殺される危険はない。

主人公カップルは物語の冒頭で警官から銃を向けられていた。

アメリカでは同性愛者だからと言う理由で殺された人が沢山いる。タイムリーな話題だけど、つい先日も黒人が警官に射殺されている。

「それは銃社会の弊害だから」と言う意見もあるだろうけれど、それだけでは説明できないところもあるかと思う。

アメリカって意外と自由じゃない気がする。

私が心を奪われたのはゲイカップルがダウン症の少年を育てることによって、幸せを感じ3人で家族になっていく過程。

これ、すごく分かる。

私も夫と結婚して、娘を授かって育てていく過程で「家族になったな」と感じているので「あ~。分かるわぁ」と共感する部分が多かった。

特にクリスマスや誕生日等のイベントや、海に行った時のビデオの映像とか観てるだけで泣けてしまった。

ゲイカップルとダウン症の少年の家族は幸せに暮らしていたのだけれど、周囲の偏見等から引き離される事になる。

カップルの1人は弁護士なので、自分達がダウン症の少年を育てられるよう裁判をするのだけど、結局裁判には勝てず、家族は引き離されてしまう。

ここまで観てきた私は「まぁ、でもアメリカ映画だから最後は奇跡的な何かが起こって、元の3人家族になるんだよね」と思っていたのに、薬物中毒で逮捕されて司法取引で早期出所してきたダウン症のマルコの母親は育児放棄。マルコを追い出してしまう。

追い出されたマルコは3日間街を彷徨い歩いた挙句、息を引き取る。

「なんだかんだ言ってハッピーエンドになるんだろう」と思っていた私は、この哀しすぎるラストに呆然としてしまった。

子どもが不幸になる話は辛い。

最後まで観ると差別云々なんて、どうでも良くなってしまっていて「子どもの幸せは大人(社会)が考えなきゃ駄目だろう!」と言う気持ちで一杯になってしまった。

虐待の問題でもそうなのだけど、どんなに酷い親でも親が本気だしたら、子どもの権利云々以前に親が子どもを持ってっちゃうシステムはどうにかならないものかと思う。

子どもを育てられない奴は子どもを産むないで欲しい。間違って産んでしまっても虐待したり殺したりするくらいなら手放して欲しい。

哀しすぎるラストではあったものの、リアリティがあると言われたらそうかも知れないな…とは思う。

面白かったけれど、見終わった後に気持ちの持っていきようがなくて、しばらく悶々としてしまった。かなりの力作だと思う。

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