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バラカ 桐野夏生 集英社

東北の震災以降、震災をテーマにした小説が沢山発表されたけれど『バラカ』もその中の1つ。

数ある震災文学の中では圧倒的に面白い部類だと思う。

流石は桐野夏生だと驚かされた。「そこまでやるか?」「そこまでネタにするか?」と。震災文学と言っても格調高いものではないし「原発はイケナイと思います」的な訴える系でもない。

不謹慎とそうでないところのスレスレのライン際を走っている感じがした。

なので「まぁ、桐野夏生だし仕方ないな」と思える人しかオススメ出来ない。

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バラカ

震災のため原発4基がすべて爆発した! 警戒区域で発見された一人の少女「バラカ」。彼女がその後の世界を変えていく存在だったとは――。
ありえたかもしれない日本で、世界で蠢く男と女、その愛と憎悪そして勇気。想像を遥かに超えるスケールで描かれるノンストップ・ダーク・ロマン!

アマゾンより引用

「よく、こんなネタ思いついたな」と感心されられた。

正直、震災がテーマをになっているけれど、震災じゃなくても良かったと思う。

題名になっている『バラカ』とはヒロインの名前。

ヒロインはドバイで子どもを人身売買する組織から買われた女の子。人身売買される前も日本にいたのだけれど、その辺のところは書きはじめると、あらすじを全部書かなきゃいけなくなるので割愛するけれど、波瀾万丈にもほどがあるとしか言いようのない生い立ちなのだ。

物語は「バラカが被災するまで」と「バラカが被災した後」の2つで大きく雰囲気が変わる。

バラカが被災するまでは、バラカの物語ではなく、バラカの母親達(複数形なのには理由がある)の物語で、バラカが被災した後はバラカと彼女を取り巻く人々の物語になっている。

後半は震災文学っぽいけれど、前半はいつも通りの桐野節炸裂のノアール小説になっていて、悪い人間・嫌な人間が沢山登場する。

物語は猛スピードで転がっていくので、一気読み出来ると思う。圧倒的なパワーで押し切られるタイプの作品で、桐野夏生らしさが存分に生かされていると思う。

面白く読ませてもらったのだけど、色々な要素を詰め込み過ぎたせいで「とっ散らかった感」が半端ない。

バラカの生い立ち、震災、バラカの母達の話、バラカの義父である川島の話。

それぞれを1つの作品にしても良いような濃さで「そこまでテンコ盛りにしなくても」と思ってしまった。

実際、あれこれ詰め込み過ぎたせいで、登場人物の誰かに思い入れする事は難しいし、1つ1つのエピソードはアッサリし過ぎて物足りない気がした。

とは言うものの。震災をテーマにした作品で、これだけ威圧感のある作品は今のところ他にない気がする。

「桐野夏生らしさ」を味わうなら、もってこいの1冊だと思う。

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白い木蓮の花の下で
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