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抱く女 桐野夏生 新潮社

ツイッターで評判が良さそうなので読んでみた。

私はなんだかんだ言って桐野夏生が好きみたいだ。

グロテスクな話も多いし「それって、人としてどうなの?」と思わせるような人も出てくるのだけど、勢いのある文章と圧倒的な筆力でグイグイ読ませてくれるところに惹かれている。

だけど、今回はイマイチだった。敗因は登場人物の誰にも肩入れ出来なかったことにあると思う。

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抱く女

「抱かれる女から抱く女へ」とスローガンが叫ばれ、連合赤軍事件が起き、不穏な風が吹き荒れる七〇年代。二十歳の女子大生・直子は、社会に傷つき反発しながらも、ウーマンリブや学生運動には違和感を覚えていた。

必死に自分の居場所を求める彼女は、やがて初めての恋愛に狂おしくのめり込んでいく―。

アマゾンより引用

感想

物語の舞台は連合赤軍の事件があったり、学生運動が華やかだった時代。

ヒロインは大学生。彼女自身は学生運動をしていないのだけど、彼女の周囲(実兄や友達の恋人など)は学生運動に深く関わっている。

主人公は学生運動を横目で眺めつつ「コレジャナイ感」や反発を感じている。

学生運動登場する作品というと小池真理子の『恋』などを連想してしまうのだけど、この作品から『恋』で感じた熱のようなものは感じられなかった。

主人公の立ち位置が違うので当然と言えば当然の事なのだけど。

私には全く共感出来ない作品だったのだけど、同時期に青春を送った人達なら面白く読めるのかな……とは思う。

なんと言うのかな…主人公や周囲の人達の生き様や悩みに触れても「この時代の学生って恵まれているよねぇ」としか思えなかったのだ。

言っちゃあなんだか、この時代って日本が豊かになりつつあって勢いがあったのだと思う。

バブル景気の恩恵を全く受けずに育った世代からみると主人公達の行動は「甘いなぁ」としか思えないのだ。

男友達から「公衆便所」と呼ばれるヒロインは悪女かと言うとそうでもなく、魅力に欠け、説得力に欠ける。

彼女の姿は当時を生きたリアルな女子大生なのですよ……と言われればそうなのかも知れないけれど、これと言って突出した魅力を感じる事が出なかった。

桐野夏生の描く女達は大抵エネルギッシュで「殺しても死なない」強かさがあった。この作品の主人公は桐野夏生の小説の主人公を張るにしては、いささか弱過ぎる気がする。

今まで私は桐野夏生にハズレ無し(実際にはイマイチだと思う作品もあった)と思い込んでいたところがあったのだけど、今回の作品でそれが思い込みだった事を知った。

当時を知る世代が読めばそこそこ楽しめるのかも知れないけれど、個人的にはまったく楽しむ事の出来ない作品だった。

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白い木蓮の花の下で
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