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ぼっけぇ、きょうてえ 岩井志麻子 角川ホラー文庫

夏の読書はホラーでしょう……という単純な発想から手に取った作品集。

結論から言うと「ちっとも恐くなかった」が、面白くなかったという訳ではない。

恐さのツボは人それぞれで、私にしては「遠い日の作り事」過ぎて、どうにも、こうにも恐くはなかったのだけど小説、あるいは、読み物としては、面白いと思った。

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ぼっけぇ、きょうてえ

ザックリとこんな内容
  • 第6回日本ホラー小説大賞受賞作
  • 岡山の遊郭で客をとる容姿の醜い女郎が、客に自らの身の上話を聞かせる。
  • 表題作他、3作収録『密告函』『あまぞわい』『依って件の如し』の3柵収録。
  • 心霊現象や妖怪の話ではなく、人間に潜む狂気を描いている。

感想

タイトルの『ぼっけぇ、きょうてえ』とは岡山弁で「すごく、こわい」の意味。

表題作は岡山の廓で、遊女が寝物語を語るというスタイルをとっている。「遊女の寝物語」というだけでも、心そそられるではないか。

ホラー、サスペンスは「ネタ」が命なだけに、ストーリーを多く語れないのが残念である。ただ「少しづつ追い詰めていく」というホラーの定石に添って語られていく物語は「上手いねぇ。山田君、座布団もってきて」といった感じ。

あまり聞きなれない岡山弁が、アナザーワールドを見事に演出していた。

表題作ではないが、収録されていた『密告函』も面白かった。

密告という言葉を聞いただけでも、どこかホラーちっくで、おどろおどろしい感じがあって良いではないか。

もちろん「密告」をキーワードにして、物語は進んでいくのだ。ラストは、適度に恐く、ニヤリとさせられてしまった。

ホラー小説は、理不尽に恐かったり、理不尽に話が展開したりするケースが多く「でもホラーだから、しょうがないか」となってしまいがちなのだが、この作品集は、理屈を追って書かれている物ばかりだと思った。

理屈……と言うよりも「世の理に沿って」書かれているといった印象。ホラーよりも、むしろ純文学に近いノリかも知れない。

恐くはなかったが、面白い1冊だった。作者の書く、他の小説が読んでみたいと思った。
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白い木蓮の花の下で
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