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昔の文庫本。今の文庫本。

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夫と話をしていて、ひょんな事から『聖アウグスティヌスの殉教』と言う絵について説明する事になった。

『聖アウグスティヌスの殉教』と言えば私の中では三島由紀夫『仮面の告白』の一節に出てきたのがキッカケでその存在を知った。

『仮面の告白』を読んだのは高校生の時だったけれど『聖アウグスティヌスの殉教』の一節を読んだ時は鼻血を噴きそうになってしまった覚えがある。近代文学ってよくよく考えると実にエロい。

夫が「へぇ。面白そうだね。本、持ってる?」と聞くので、背表紙が橙色(三島由紀夫の作品は背表紙が橙色で統一されている)の『仮面の告白』を本棚から引っ張り出してきて、その一節を探した。

……が。新潮文庫のページを開いた私は驚愕した。文字が小さくて行間ギチギチに印刷されているではないか。

高校生の私なら難なく読めたかも知れないけれど、そろそろ老眼鏡が必要かも…と言う43歳の私には本を読むどころか、その一節を探す事さえ難しいではないか。それでも、どうにかこうにか探して「ここだよ。ここ!」とドヤ顔で夫に披露した。

昔の文庫本ってあんなに文字が小さかったんだっけ?

文庫本と言っても出版社によって文字の詰め方が違っている。

最近の文庫本は文字が大きく行間が広くになっている。その分冊数が増えるけれど年配の人にも優しい仕様だ。

私が高校生の頃の文庫本は「1ページにどれだけ文字を詰め込めるか」って事に情熱を注いでいるとしか思えないほど小さな文字がギチギチに詰め込まれていた。新潮文庫も凄かったけれど、岩波文庫(パラフィン紙のような紙のカバーが付いているバージョン)は、新潮文庫のさらに上を行っていた覚えがある。

昔の文庫本を引っ張りだしてきて「私、後生大事に文庫本を置いているけれど、これから先も置いていたところでもう読めないかも知れない……」と軽く絶望した。

大人になってから購入した文庫本は比較的文字が大きいので今でも読むことが出来るけれど、古い仕様の文庫本だと正直キツイ。

「拡大鏡で読めばいいじゃない?」と夫。まぁ、そりゃそうなんだけど拡大鏡って使いやすいんだろうか? 老眼鏡をかけている人に話を聞くと「老眼鏡をかたけら読みやすくなるけれど目が疲れるから、そうは長い時間は読めないよ」とのこと。

もう、こうなったら電子書籍の導入を検討した方が良いのかなぁ…。

だけどすべての本が電子書籍化している訳ではないし、自分の持っている全ての本を業者に電子書籍化してもらうとなると莫大な費用がかかってしまう。そうかと言って自炊(自分で電子書籍化する)のも大変な作業になりそうだし……。

1番安くて手軽なのは「本はコレクションとして持っておいて、中身を読みたい時は図書館でハードカバーを借りる」って方法だと思う。だけど、それはそれで微妙に私の希望するスタイルではないと言うか……。

加齢(主に目の老化)が進むにつれ「読書とどう付き合っていくか」は私にとって大きな課題になりそうだ。死ぬまで本を読み続けたいと思っているので、自分に合った良い方法が見つかるといいな…と思う。

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