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すっぽん心中 戌井昭人 新潮社

平凡に生きる人の日常生活を切り取った3つの作品からなる短篇集。

表題作の『すっぽん心中』は芥川賞の候補になったとのこと。

受賞出来なかったのは残念に思うけれど、候補になるだけの作品だと思った。

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すっぽん心中

変化を求めず、目の前のことをやり過ごしてきた田野と痛い目に遭いつづけながらあっけらかんとしたモモ。不忍池で出会ったふたりは上野から霞ヶ浦をめざす。

どんづまりを描きもはや笑うしかないのか「すっぽん心中」。

スイッチの入った男の狂騒「植木鉢」、屋上の狂人のバトルと本心「鳩居野郎」を併録。おかしさと哀愁は他の追随を許さぬ現代小説。

アマゾンより引用

感想

表題作の『すっぽん心中』は交通事故の鞭打ち症で治療中のある男が、ふとした事から女を拾って、一緒にすっぽんを捕まえに行く物語。

だらっと気の抜けた雰囲気がとても良かった。

主人公はパッっとしないし、女もアバズレ感溢れる設定なのだけど、不思議と清潔感のある作品で、ちっとも嫌らしさを感じなかった。

そもそも「お金欲しいからスッポンを捕まえに行こう」だなんて設定が素敵だ。

そして、それを大真面目に取り組んでしまうところが素晴らしい。なんて事のない話で、教訓も感動も得られないのだけど、不思議な魅力がある作品だった。

他の2つはさわやか系とは対局にある感じの作品だったけれど、どちらも地味だけど「上手いなぁ。」と思える作品だった。

戌井昭人は初めて読む作家さんなのだけど、場面を切り取るのがとても上手だと思う。派手さは無いけれどセンスの良さで読ませるタイプ。

「すごく面白かった」と絶賛するような作品ではなかったけれど、次に期待出来る作品。これは何の根拠もないのだけど「もしかしたら化けてくれるかも」って気がしている。

松尾スズキとか……そんな印象。

次の作品が出たら必ず読もうと思わせてくれる1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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