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茅原家の兄妹 藤谷治 講談社

またしても図書館の新刊コーナーで「ジャケ借り」。そして爆死した。

題名と表紙に惹かれて手に取った。耽美な表紙。内表紙もモスグリーンで素敵だったし、パラっと見た感じだとお手伝いさんがいるような超セレブの一族が登場。

これは横溝正史張りの妖艶な物語に違いないと思って読んでみたのだけど、壮大な雰囲気小説でしかなかった。

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茅原家の兄妹

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“新潟市一家溶解事件”そして謎めいた“手記”―。

大学を卒業して十三年後、交流が途絶えていた友人・茅原恭仁からの招待を受けた「私」は、山間の別荘地にある彼の自宅を訪ねる。

恭仁はその洋館で夜な夜な何かの研究に没頭しており、彼とともに暮らしている妹の睦美は、別人のようにかつての快活さを失っていた。恭仁の研究とは何なのか。招待の目的は何か。「私」はこの奇妙な兄妹の謎にからめとられてゆく。

アマゾンより引用

感想

掴みは悪くなかった。主人公は私大を卒業して公務員として働く普通の男性。

主人公が大学受験に知り合った「茅原家の人達」の物語だった。

風変わりな茅原恭仁に美しく高慢な妹。母親には見えないほど若く美しい2人の母親。豪奢な洋館で繰り広げられるきらびやか生活。

在りし日の火曜サスペンス劇場にありがちな設定にワクワクしてしまった。

大学生だった主人公は就職して茅原家とは疎遠になるのだけれど、恭仁から届いた1通の手紙をキッカケに再会することとなる。

ここからがドラマティックモード……のはずなのだけど、実のところ面白かったのはここまでだった。「この先どうなっていくのだろう?」と言うワクワク感とお金持ちの豪華な生活。

変わり者の親友に美しくて高慢ちきなお嬢様……と美味しい設定を山盛りに詰め込んで、さらに謎まで詰め込んでいたのに、いかんせん本筋が全く面白くなかったのだ。

たくさん伏線を貼っていたのに、辿り着いたオチにガックリした読者は私だけではなかったと思う。

「そちら」の世界を描きたいなら、そちらの描写に特化してもらわないと納得出来ないし、面白くもない。

最近ネット上で「壁本」と言う言葉を目にすることがある。壁本とは「読んだ後壁に叩きつけたくなるどうしようもない本」の事。

この本は私にとってまさしく壁本だった。

雰囲気小説を否定するつもりはないけれど、ミステリ路線を謳っているなら、そこはしっかり押さえて戴きたいところ。

最後まで読んでガッカリされられた1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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