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続 窓ぎわのトットちゃん 黒柳徹子 講談社

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『続 窓ぎわのトットちゃん』は『徹子の部屋』の黒柳徹子のが書いた昭和の大ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』の続編。

大人になってから『窓ぎわのトットちゃん』を読んだ時は黒柳徹子が発達障害だった…ってところに着目して読むことによって大きな発見があったけれど、今回『続 窓ぎわのトットちゃん』読んでみて思ったのは「黒柳徹子…やっぱ凄いわ」ってことと、黒柳徹子を育てた母親のバイタリティの凄さだった。

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続 窓ぎわのトットちゃん

ザックリとこんな内容
  • 『窓際のトットちゃん』の主人公トットちゃん(黒柳徹子)がトモエ学園を卒業した後の人生(11歳から38歳まで)について描いた作品
  • 戦争の影響で学園が空襲により焼失。父は戦争に行き、母は青森への疎開を決断。トットちゃんは新しい環境での生活がスタートする
  • 戦時中、戦後の混乱期における生活の様子がや芸能界でのエピソードなど

感想

黒柳徹子は戦前生れの人だけど何だかんだ言ってセレブ育ち。黒柳徹子の父親は有名なバイオリニストで、赤い屋根の洋館で暮らしていてお魚ではなくお肉を食べ、銀座でアイスクリームを食べる…という子ども時代を過ごしている。発達障害で小学校にいられなくなった後も私立小学校に転校していて、どれもこれも庶民には出来ないことばかり。

「やっぱりお金持ちはいいなぁ。もう金持ち勝つの世界じゃない?」と思ったのだけど、第2次世界大戦の苦難は金持ちも貧乏人にも訪れる。夫が戦争に行った後、黒柳徹子の母の黒柳朝は子どもを連れて、親戚でもない「ちょっとした知り合い」を頼って青森に疎開。農協で働いたり野菜の行商をしたりして力強くお金を稼いで子ども達を育てている。お嬢様育ちだった母親が要領よく世の中を渡っていく描写は読んでいて面白かった。

そして「要領よく」と言えば黒柳徹子の「空気読める能力」と頭の良さには驚かされた。

例えば…だけど。青森に疎開した黒柳徹子は東北弁がよく分からない。「言葉が分からないけど友達を作りたい」と思った黒柳徹子はノートにイラストを描くことで注目を集める。クラスメイトのリクエストに答えて、次々とイラストを描くけれど、分からない単語(ジンジョッコ)が登場する。普通なら「それって、どういう意味?」と聞けば良いのだけど、黒柳徹子は「ここで言葉の意味を聞いたら空気が悪くなる」と察して「あなたのジンジョッコを描いて」と、相手に描かせることでジンジョッコがお人形であることを知り、無事にジンジョッコ(人形)の絵を描いている。

小学生にしてめちゃくちゃ空気読めるし、機転を効かせてピンチを乗り越えることが出来るとか…黒柳徹子…優秀過ぎないか? ジンジョッコのエピソードはあくまでも一例で他にもビックリエピソードを多数読むことができる。

『窓ぎわのトットちゃん』では黒柳徹子の面白さが前に出ていたけれど『続 窓ぎわのトットちゃん』では黒柳徹子の有能さが前に出ている。

『窓ぎわのトットちゃん』では黒柳徹子が発達障害だった…的なところがクローズアップされているけれど『続 窓ぎわのトットちゃん』を読むと「発達障害云々言うけど黒柳徹子は超優秀だぞ?」ってところが分かると思う。世間一般でイメージするところの発達障害と、黒柳徹子の「子どもの頃個性的ではみ出していた」は違うように思った。

ベストセラー本の続編って残念なケースが多いのだけど『続 窓ぎわのトットちゃん』は本編に劣らぬ面白さだった。

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