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紀の川 有吉佐和子 新潮文庫

久しぶりに再読してみた。

『紀の川』は和歌山県に生きた女の三代記。

メインのヒロインは明治生まれの「花」という女性で明治から昭和まで生き抜くのだが、時代のバトンは花の娘の文緒、孫の華子へと渡されていく。

時代の流れを感じつつ、女の一生を存分に楽しむことが出来る有吉佐和子の代表作である。

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紀の川

小さな川の流れを呑みこんでしだいに大きくなっていく紀ノ川のように、男のいのちを吸収しながらたくましく生きる女たち。

――家霊的で絶対の存在である祖母・花。男のような侠気があり、独立自尊の気持の強い母・文緒。そして、大学を卒業して出版社に就職した戦後世代の娘・華子。

紀州和歌山の素封家を舞台に、明治・大正・昭和三代の女たちの系譜をたどった年代記的長編。

アマゾンより引用

感想

ヒロインの花は花岡青洲の妻のヒロインと匹敵するほど「古い日本の女」の典型で、現代を生きる女としては、いささかモニョモニョする物を感じなくはない。

が、それも時代ゆえなのだろう。

夫に仕え、子を産み育て、家の繁栄に尽くす事こそが女の使命だった時代に自分の置かれた立場でベストを尽くす花の生き様は天晴れとしか言いようがない。

娘の文緒はそんな花の生き方を真っ向否定する奔放な娘として成長する。

恵まれた温室の中で母親に反抗する娘の姿は、いつの時代も変わらない。かく言う私も母親には反抗していた部類なのだ。

花と文緒の対立は、何度読んでも自分の母親と自分の姿に置き換えずにはいられない。

私自身、結婚して出産を間近に控えた今、ようやく母のことを少し理解出来るようになったけれど、それまでの私の姿は文緒と全く同じだった。

面白いのは、花の孫、文緒の娘にあたる華子は、旧時代的な物(思想・文化)に対して文緒のように真っ向から反発せずに、むしろ好ましく思っているというところだ。

事実、古いものが全て間違っている訳ではないのだ。

この作品の中で私が最も面白いと思ったのは「婚家を守り、繁栄させることだけを考えてきたのに、蓋を開けてみれば婚家ではなく、女系へと回帰していた」というくだり。

これは、どの家にも当てはまることとは言えないけれど「女系が強い家系」というのは確実に存在する。

男を立てて生きてきたヒロイン花が自ら目指した世界とは間逆の物を築き上げてしまったといいう結果は興味深い。

女の強さと、しぶとさを実感させてくれる名作だと思う。

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白い木蓮の花の下で
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