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和宮様御留 有吉佐和子 講談社

何年かぶりに再読してみた。

『和宮様御留』は江戸末期、徳川家に降嫁した皇女和宮は替え玉だった……と言う説に基づいて書かれた時代小説。

学術書ではいので、あくまでも作り物として楽しむ本だと思う。

和宮替え玉説は有名な話ではあるけれど、後世の人間が付け加えたのではないか…という説もある。

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和宮様御留

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攘夷か開国かで二分された国論を調停するために、皇妹・和宮は徳川将軍家に降嫁せよと勅命を受ける。

彼女の身代りとされた少女フキは何も知らされないまま江戸へ向かう輿に乗せられる――。

アマゾンより引用

感想

『和宮様御留』を久しぶりに読んでみて、その読み難さに驚いた。初めて読んだ時はもっと読みやすかったのに。

当時は時代劇ヲタクよろしく、熱心に時代劇を観たり、歌舞伎なども観に行っていたので「時代めいた言い回し」に慣れていたのが良かったのた゜ろう。

最近とんとそういう類の物からは遠ざかっていたので、登場人物達の会話がスムーズに入ってこなかった。が、それもしばらく読むと慣れたのだけど。

この作品は、ただただ作者の「妄想力」の逞しさに圧倒させられる。

1粒の小さな種から、ここまで話を広げることが出来るだなんて。

和宮の替え玉にさせられたヒロインの可哀想な事と言ったらない。「どうにかして助け出してあげたい」と何度思ったことだろう。少女小説を読むような感覚で、ドップリと世界に浸ってしまった。

作者は自らあとがきに「私はフキ(ヒロイン)を、敗戦に終わった太平洋戦争の犠牲者の中でも、最も無力であった人々に対する鎮魂歌として書いた」と記しているが、その思いは読んでいて痛いほど伝わってくる。

物語の中で、ヒロインの命は紙切れ1枚よりも軽いのだ。

大儀の前で、庶民の命などゴミ同然の扱いを受けるという事実には憤りを禁じえない。

ヒロインの血の吐くような嘆きとは対照的とも言えるラストシーンの静かさは、見事としか言いようがない。

有吉佐和子の書いた作品の中では異色ではあるけれど「読み物」としては、かなり面白い部類だと思う。少し読みづらい部分もあるとは言え、何年経っても色あせない面白さだった。

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白い木蓮の花の下で
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