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きょうだい児の保育をして感じること

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最近、職場で諸事情により「きょうだい児」の保育を任させる事がちょくちょくがある。

きょうだい児って言うのは知らない人にはピンとこない言葉だと思うのだけど、きょうだい児とは、病気や障がいのある兄弟姉妹と育つ子どものこと。障がいの種類は身体的、知的、精神的、発達など全てを含む。

私の職場に通園している園児さん達は障がい児…と言っても重度障害のお子さんが多い。首も腰も座っていなかったり、発語がなかったり。

発達障害にしても一般の人がイメージする「多動」とか「人と関わるのが苦手」なんてふんわりした感じではない。例えば…だけど口から栄養を接種できないくらいに感覚過敏が酷くて鼻注で栄養を接種している…なんてお子さんもおられる。

私自身は子どもを1人しか授からなかったし、娘はどちらかと言うと育て難い子ではあったものの健常児。そして娘の育児なんて記憶の彼方に飛んでいるので健常児のお子さんの保育は驚きに満ちている。

「へぇっ。0歳でもここまで出来るんだ!」とか「1歳児は◯◯出来る…って、そう言えば保育士試験に書いてあったな…」とか、きょうだい児さんと関わっていると教科書通りの反応が返ってくることが多くて「ラピュタは本当にあったんだ!」と目の前にいるお子さんの反応に驚いてしまう。

私が日々関わっているお子さん(障がい児)とは全然違う…違い過ぎるのだ。

ラピュタは本当にあったんだ!

ラピュタは本当にあったんだ!

障がい児の療育と健常児であるきょうだい児の保育とでは同じ時間を過ごしていても疲労度が段違い。障がい児を育てる保護者のみなさんの日々の苦労を思わずにはいられない。

世の中には「子育てはシンドイに決まってるんだ。障がい児の親だからって甘えんな」とか「発達障害は親の育て方が悪い…ってところもあるんじゃね?」みたいな事を言う人もいるけど、障がい児の育児はハードモード過ぎる。

もうね…0歳の時点で明らかに違うのだ。

一般的な育児は子の成長共に負担が軽くなっていくものだけど、障がい児育児の場合はそうもいかない。しょうがい児を育てている家庭に対して、もっと支援があっても良いと思う。

私の働いている施設は親子療育が基本とされているため、両親ともフルタイム勤務だったり、両親どちらかが働いていない場合も兄弟の都合(例えば保育園問題)で療育を受けられないケースがあるけど、それって子どもの福祉を1番に考えなければならない児童福祉施設の姿ではないと思う。

…とは言うものの…

  • 壊滅的に古い施設
  • 少ない予算
  • 人も少ない

……と言った何もかもが足りていない現状で親子療育ではない形を目指すことは難しい。これって現場レベルでどうにかできる話ではなくて、国が示す方向性が変わらない限りは無理な話。

私がここでどうこう言ったところで何かが変わる訳じゃないので、せめて自分の仕事には誠実に…しっかり向き合っていきたいと思う。

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