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後悔病棟 垣谷美雨 小学館文庫

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久しぶりの垣谷美雨。2年前に読んだ『代理母、はじめました』が気に食わなかったので、しばらく避けていたけけれど魔が刺してふと手に取ってしまった。

前回は「もう垣谷美雨は読まなくてもいいかな」くらいに思ったけれど『後悔病棟』はそこそこ楽しむことができた。ちょっと漫画的と言うか、ラノベ的てはあったけれど、個人的には許容範囲。『ビッグコミックオリジナル』とかでありそうな…と藤子不二雄Aの漫画みたいなノリだった。

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後悔病棟

ザックリとこんな内容
  • 末期のがん患者を担当する早坂ルミ子は「患者の気持ちがわからない女医」というレッテルを貼られて悩んでいたが、ある日、ルミ子は病院の中庭で「患者の心の声を聞くことができる聴診器」を拾う。
  • 聴診器は心の声を聞くだけでなく「過去に戻って、もう一度、人生をやり直したい」と言う願いさえ叶えてくれる不思議な力を持っていた。
  • 聴診器の力を借りて「もうひとつの人生」の扉を開けた患者たちが見た物とは?

感想

ほどほどに面白い作品だった。連作短編形式で小さな物語ごとに主人公(患者)が変わっていく。登場した患者は4人。

  1. 千木良小都子(33歳)母は大女優。「芸能界デビュー」の夢を諦めきれない。
  2. 日向慶(37歳)俺はもうすぐ死ぬというのに金の話ばかりる妻に不満がある。
  3. 雪村千登勢(76歳)娘の結婚を反対したばかりに娘は46歳になっても独身で…。
  4. 八重樫光司(45歳)中三の時、初恋の爽子をめぐるあの“事件”への後悔が…。

人間、誰だって「あの時、ああしておけば良かった」と思うところはあると思う。自分の余命が分かればなおのことだろう。『後悔病棟』では、まさにその「ああしておけば良かった」と言う後悔を取り戻す…というコンセプトだった。

ネタバレしちゃうと面白さが半減するタイプの作品なので詳細は伏せるけれど人生において最良の選択を選ぶのは難しいな…って事を改めて考えさせられた。私も「あの時、ああしておけば…」みたいなことは思うのだけど、結局のところ自分は自分の生き方しか選べないよね…とか。

どのエピソードも手堅く面白くて垣谷美雨の本領発揮…って感じだったけど、狂言回し訳の主人公、早坂ルミ子の掘り下げと周囲の人々の描写は甘かったのは残念だった。早坂ルミ子の物語があまりにも上手く行き過ぎてしまって「甘ったるい少女漫画展開は勘弁してくれよ~」と辟易した。

…とは言うものの、欠点を差し引いても「映像化したら面白いだろうな」と思える作品だったし、気楽に楽しむ本としては良かった。

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