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少女のための秘密の聖書 鹿島田真希 新潮社

鹿島田真希の作品を読むのはこれで4冊目。

毎回「イマイチ」と書いているにも関わらず、何度も懲りずに手に取ってしまう不思議。

なんだかんだ言って気になる存在なのだと思うのだけど、今回もやはりイマイチだった。

何が悪いんだろう?

そしてイマイチと言いながら、私はどうして作者の書く物を読んでしまうのだうろう。

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少女のための秘密の聖書

少女は開いた、秘密の物語の扉を。やがて知った、この世の本当の姿を――。楽園を追放されたアダムとエヴァ、兄弟殺しのカインとアベル、ノアの箱舟、神に滅ぼされた悪徳の町・ソドムとゴモラ、父と娘が子をなすロト とその娘――少女がお兄さんに誘われて扉を開いたのは近親相姦、殺人、男色、何でもありの世にも奇妙な聖なる書物。鬼才の芥川賞作家が描く、残酷でみだらで魅惑的な旧約聖書の世界。

アマゾンより引用

感想

主人公は女子中学生。母親と母の再婚相手の義父と暮らしいる。

主人公は母親と義父が睦み合う時、必ず「家賃を滞納しているお兄さん」の部屋に家賃を取りに行かされるのだけど、そのお兄さんに旧約聖書を読んでもらう。

主人公の現実と、聖書の物語が少しずつ進んでいく形式になっていて「旧約聖書入門」としては良いんじゃないかと思う。

作品としては好きになれなかったのだけど、この作品を読んだ事で私ははじめて「キリスト教徒が教会に足を運ぶ理由」の一部を理解した気がする。

聖書って宗教書としてではなく1冊の本として読むとなると、けっこう辛い。それが人間の口を通して語られると面白く感じてしまうのだ。

牧師さんなり神父さんなりの口から語られる「聖書の物語」は面白いんじゃないかなぁ……なんて事を漠然と思った。

鹿島田真希はどちらかと言うとダークなテーマを描く人で、この作品だけでなく今まで読んだ作品も同性愛だの、エロスだの、虚無感だのを描いているのだけれど、今回も「義父の性的虐待」とか実の母親の異常性がテーマ。

主人公が「お兄さん」の元に通って旧約聖書を解き明かすことで主人公の考えが少しずつまとまってくる作りになっていて、構成は面白いと思うのだけどイマイチのめり込む事が出来なかった。

ちなみに鹿島田真希はクリスチャンとのこと。決して聖書を茶化している訳ではないようだ。

これは鹿島田真希の信仰告白的な作品なのだろうか?

なんだか聖書の嫌な部分ばかりが際立っていたように思う。旧約聖書って「なんちゃって仏教徒」が読むと理不尽な事だらけ。

次々と理不尽な要求を突きつけてくる神の存在とか、神を信じているのに平気で神を裏切っちゃう人々とか。日本人にはついていけない感じ。

ラストもモヤモヤとスッキリしない。

「あえて」そうしたのは理解出来るけれど、読後感はかなり悪い。誰かにオススメしたいような作品ではないけれど、旧約聖書に興味があるなら読んでみてもよいかも知れないとは思う。

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