仕事をしていると「人間が社会で生きていくとなると結局のところ人間関係に行きつくんだよなぁ」ってことを、しみじみ思う。
私のパート先である放課後等デイサービスの利用者さん(中3男子)が1人のスタッフに恋をした。
誰かを好きになったり、恋をするのって当たり前の感情だし、素敵なことだと思う。だけど「サービスを受ける側」と「サービスを提供する側」って場合、そうも言っていられない。
冷たいようだけど、サービスを提供する立場の人間って、お客様に対しては仕事なので優しくできる。それはプロとして当たり前のことではあるけれど、優しくしているのは「お客様だから」ってところが大前提。
……そうは言っても人間だもの。感情を理屈でどうにかすることはできない。
実のところ「サービスを受ける側」と「サービスを提供する側」の間にも相性のようなものがある。お客様もスタッフも人間なので、好き嫌いが出てきてしまうのはある程度仕方がないとは思っている。
今回のケースでは中3男子は若い女性スタッフのことが好きになり過ぎてしまっていてケアを受ける時に彼女を指名するようになってしまった。
そして困ったことに、中3男子を兄貴のように慕う小学生男子が兄貴を真似て、自分も「このスタッフにやって欲しい」みたいなことを言うようになっている。
キャバクラで「お気に入り」を指名するのは分かる。だけど福祉サービスの場合、「お気に入り」の指名を認める事はできないのだ。
介護の現場はチームワークを持って動いているから…ってところもあるし、そもそもスタッフは永遠に在籍している訳でもない。ある日突然辞める可能性もある訳で「この人からのケアしか受けたくない」なんて言われても、それは無理な相談ってものだ。
それに、もっと残酷なことを言うと、重度障害を持つ子の場合、死ぬまで誰からの介護を受けなければならないので「色々な人からケアしてもらう」ことに慣れてもらう必要がある。
スタッフに恋した中3男子は高校卒業まで放課後等デイサービスを利用することが出来るのだけど、それ以降は別の形でのケアを受ける必要がある。彼が卒業するまでに、この問題をどう伝えていけば良いものやら。
スタッフミーティングで課題に上がってきたものの、残念ながら「どうやって対処したら良いか?」については明確な答えが出なかった。試行錯誤しながらやっていくしかないのだろけど、悩ましいことだ。
働きはじめて3年になるけれど、この類の問題に直面したのは初めての経験。パート先では重度障害の人がメインなので、恋愛云々以前に「そもそも意思の伝達が難しい」みたいな感じの利用者さんが多て、その類の問題が起こらなかったのだ。
この問題がどこに着地するのか予想がつかないけれど、今後、何某かの変化があれば日記に記録しておきたい。続きを読む→個別支援計画とアセスメントシート更新の季節。