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少女地獄 夢野久作 角川文庫

妖しくも、淫靡な世界……というよりも、けだるく陰鬱な世界…といった印象を受けた。

夢野久作って作家さんは「その道の人」から絶大な支持を受けているようだが、なんとなく……分かるような気がする。

ただ、私が抱いたこの作品の印象は「耽美」というよりも「虚無的」なイメージが強くて幻想に遊ぶよりもなお、現実的なものとして捉えてしまった。

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少女地獄

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可憐な少女姫草ユリ子は、すべての人間に好意を抱かせる天才的な看護婦だった。その秘密は、虚言癖にあった。ウソを支えるためにまたウソをつく。

【夢幻」の世界に生きた少女の果ては…。

アマゾンより引用

感想

表題作のヒロインは「虚言癖」のある少女でだった。

……少女というのは正しくないかも知れない。ちょっとネタバレをしてしまうならヒロインは少女ではなく女性。嘘で塗り固められた世界に生きる女性がヒロインだった。

嘘が嘘を産む……というのは、ありがちと言えばありがちな世界だが彼女の「嘘」につきあって、痛い目をみた人々が、それでもなお「彼女を嫌いにはなれない」というあたりが面白かった。

ミステリアスではなく「現実にも、そういう人はいるし、そういう話はあるよね」といった感じ。

ミステリアスな世界観の中で、作者が紡いでいったのは、これ以上とないリアルな世界だったのではないかと思ったりした。

ちょっと古めかしい文体も、現代人には魅力的であるし古風な言葉遣いも浪漫ちっくで、酔えるように思う。ただ「怪奇浪漫」を求めるのなら、横溝正史の方が数段上かと思ったりする。

横溝正史は殺人という、現実的におこりうる人間関係の中で浪漫を描いたが夢野久作は浪漫という、とらえどころのない世界に現実を描いたような気がした。

けだるい梅雨時分に読むには最適な1冊ではなかろうか。

少し乾いた視点でもって、遊ぶのが好き……ってな本読み虫にオススメしたいが微妙に読者を選ぶかも知れないなぁ……と思う1冊だった。

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白い木蓮の花の下で
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