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金魚生活 楊逸 文藝春秋

美貌に恵まれたある中国人女性の物語。

美貌と言ってもヒロインの物語……と言っても、美貌のヒロインの波乱万丈な人生を描いたものではない。ヒロインはそろそろ老年にさしかかろうかと言う中年女性で、日本に嫁いだ娘の出産を手伝うため来日する。

中国と日本を舞台にした、しっとりと味わいのある作品だった。

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金魚生活

中国の東北部、とあるレストランに勤める林玉玲は、店長から金魚の世話を頼まれる。あるとき、日本に嫁いだ娘の出産のため来日した玉玲は、日本人との再婚を勧められて…。

日本と中国、異なる文化の狭間で、玉玲の心は言葉を超える。

衝撃の芥川賞受賞から半年、日本と中国をめぐる新たなる感動の恋愛ストーリー。

アマゾンより引用

感想

主人公はレストランで働いているのだけれど、そこの看板ペット(?)である金魚の世話係を任されるようになる。

それ以降、主人公の人生は常に金魚と共にあるのだけれど、時に主人公の生き方と金魚が重なる時があったりして、なんとも叙情豊かに仕上がっている。

ちなみに私は金魚という生き物が少し苦手だ。

動物は全般的に好きなのだけど、魚類とは親交を深めたことがないせいか、どうにも好きになれずにいる。あの独特の色や見た目に怪物めいた物を感じてしまってならないのだ。

それなのに、この作品を読んでいると金魚が身近な物に感じられた。この作品を読んだからと言って、金魚が好きになった訳ではないのだけれど。

ヒロインはもって生まれた美貌ゆえに、男性から好意を寄せられることが多いのだけど、恋多き女でもなければ、魔性の女でもない。ただ淡々と日々を生きているタイプの女性でなんとなく共感が持てた。

そしてこの作品はヒロインの揺れる心が淡々と描かれている。

ヒロインの人生は決して平坦な物ではなく、夫が交通事故死したり、意に沿わぬ人から言い寄られたり、また思ってもみなかった人と情を交わしたりするのだけれど、彼女の人生は金魚と共にあり、時々に金魚の描写が印象的だ。

ヒロインは来日して、娘から「日本人と結婚して日本国籍を取って欲しい」と勧められて日本人とお見合いをするのだけれど、女性として不思議と主人公に嫌な印象は抱かなかった。

同棲している恋人こそあれ、未亡人だから……というところもあったろうけれど、ヒロインがガツガツした人間ではないからだと思う。そして、ヒロインの出した結論は気持ちの良いものだった。

楊逸は芥川賞作家なのだけど今まで中国人ということで読まず嫌いしていた。

今回は特に理由もなく、ふと手にとってみて読んだのだけど、今まで読まず嫌いして勿体ないことをしたなぁ…と思った。他の作品も是非読んでみようと思う。

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白い木蓮の花の下で
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