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雪のなまえ 村山由佳 徳間書店

少し前に読んだ『初恋』が良かったので、続けて村山由佳作品を読んでみた。

『雪のなまえ』は東京の小学校でいじめから不登校になった女の子が父親と共に、父親の田舎である長野県に引っ越しして、自分を取り戻していく物語。

あらすじだけ書いてもハートフル感が凄いのだけど、私はなんだかモヤモヤして最後まで好きになることが出来なかった。

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雪のなまえ

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ザックリとこんな内容
  • 主人公は小学5年生の雪乃。いじめが原因で不登校になってしまった。
  • 父は「夢の田舎暮らし」を求めて父が突然会社を退職。雪乃は父と共に曾祖父母が住む長野へ引っ越す。
  • 編集者として働く母親は仕事を諦めることが出来ずに東京で働くことを決め、家族は離れ離れで暮らすことになる。

感想

「いじめからの不登校」って、あるある事案で昨今は珍しくないどころか学校教育現場での大きな課題だと思う。1度不登校になってしまった子どもが学校に戻ることは難しい。親も子も苦しい思いをするし「これだ」と言う特効薬は見当たらない。

私の住んでいる地域でも「いじめに合った場合、学校を転校して友人関係をリセットする」という方法はよく取られていて、特例措置として隣の校区の学校へ転校することができる。

『雪のなまえ』の主人公の雪乃も人間関係をリセットして、父と共に父の郷里である長野県に引越して新しい生活をスタートする。雪乃の父は「憧れの田舎暮らしをしたかった」って気持ちもあっただろうけど、たぶん「娘のために」って部分が大きかったのだと思う。

親が子どもと向き合って、子どものために引越しをする…ってところは素晴らしいと思うのだけど、なんかこう…素直に楽しむことが出来なかった。

たぶんリアルな田舎暮しではなくて「都会から移住してカフェをはじめる」ってところが引っ掛かったのだと思う。古民家カフェとか控えめに言って安置過ぎる。

凄く良い話なのだけど、どうにもこうにもリアリティがなさ過ぎる。

主人公の雪乃は可愛くて頭が良くて性格も良くて、でもちょっぴり大人しくて…と、なんだかテンプレ的な上に、感性が大人びていて「おいおい。人生2周目かよ?」って思ってしまった。子どもを主人公に据えるなら、子どもと子どもの世界をしっかり描いてくれないと物語に入り込むことができない。

テーマ(いじめ、不登校からの再生)は良いだけになんだか残念。

村山由佳は恋愛小説の人なのかも知れないな…って思ったりした。

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白い木蓮の花の下で
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